政府高官=漆間官房副長官 | 辻雅之のだいたい日刊オピニオン
「政府高官」が西松事件について「自民党に及ぶことは絶対にない。金額が違う」などといって批判されてますが……。

「政府高官」というのはオフレコ取材(カメラなどを廻さず、名前もださない取材)をするときに取材対象者のことをぼかすための表現です。オフレコ取材は匿名を条件に本音を引き出そうとするものですが、ぼかし具合によっては誰が言ったかバレバレのときもあります。

政府というのはイコール内閣ですが、ここでは官邸スタッフつまり内閣官房の人たちをいうのが普通です。首相がオフレコ取材を受けることはまずあり得ないので(オフレコで懇談はしていますが、それが直ちに活字になることはまずない)、「政府首脳」は内閣官房長官のことをさすのが半ば常識です。

問題の「政府高官」ですが、首脳ではないということと、「高官」ということから国会議員から任命される政務方の官房副長官ではないな、ということがわかります。したがってここでの「政府高官」とは事務方、つまり官僚出身の漆間官房副長官ということがわかります。

漆間官房副長官は元警察庁長官なので、こういう発言が出たのかもしれません。本人としては「政府筋」「官邸筋」と書いてほしかったかもしれませんね。それなら政務方のほうも入るので、特定されなかった可能性が高いのですが……。

「与党(野党)首脳」、これも党首はそもそも首相ですから違いますね。ほぼ幹事長とみていいでしょう。ただ「与党(野党)幹部」という場合は党三役とかかもしれず、ちょっとぼかしが濃くなります。このあたりは記者のさじ加減ですね。「省首脳」は大臣のこととするサイトもありましたが、「某閣僚」「閣僚の一人」と書くこともできますし、事務次官の可能性もあります。「○○省筋」は官房長か局長クラスですね。これより下のクラスはあまり取材対象にならないでしょう。