先日読んだ本に、「判断」と「決断」の違いが書いてあった。曰く、
「判断」とは、存在する正しい答えを探すこと。論理的な解決が可能。
「決断」とは、正解がない場合に決めること。正否は現場で検証する。


ビジネスは、やってみないと分からない、正解のない世界である。

コンサルの提言は、論理的な結論であり、正否の検証が必要となる。

実行してみて分かることは多く、議論だけで正解は得られない。


時間の経過は、コストを発生させ、資金を減らすことになる。

資金は、明日の売上につながる実行プロセスに使われるべきであり、

仮説の検証をきちんと行うことで、正解に辿り着く確率は上がる。


ベンチャー企業の成長過程には、いくつかのステップがある。

開発段階では、開発にリソースを集中し、地下に潜るに限る。

マーケティング段階では、パイロットユーザの下で、実践的な開発を

進め、製品を(売れる)商品にしていくことが重要である。

その後、自力で売上実績を積み上げながら、販売チャネルの構築を

進めていき、黒字化を目指すことになる。


VCは、それぞれの段階で、次の成長へ向けての資金を提供する。

ただ、投資した資金が、成長(黒字化)のために使われるか否かは、

経営者の資質に委ねられる。よく起こる事件は、成長後でいいこと

に資金が大判振舞いされることである。立派な事務所が売上を生

むのは、いかがわしいビジネスであり、長続きはしない。会社が赤

字でも給料が上がることを喜ぶ社員は、金の切れ目で去っていく。

資金が入ることで与えられた時間は長くなるが、正解を机上で探

すためだけに費やしていては、早晩、無に帰すことは明白である。


ビジネスは、現場で正解を探す仮説検証の繰り返しである。

経営者は、有限な資金を仮説検証に使い、黒字化を目指すべき

である。赤字会社は、社会貢献度が低く、報酬も過大である。


経営者の決断する力は、資金の使い方に顕著に現れる。赤字会

社は、成長の為の投資以外に、貴重な資金を使うべきではない。

2006.12.10