先日読んだ本に、未来を創り出す力には三種類ある、と書いてあった。
一つ目は慣れ。
ほとんどの人は多くの場合、習慣で行動している。精神的に安定する
し、慣れているので大きな失敗もない。未来は、現在の延長である。
惰性で生きていくことは楽であり、未来に対する悩みは少ない。
二つ目は危機感。
保証された未来はなく、不安や危険を感じる材料は多い。悲惨な結果
を避けるために、機敏で迅速な行動が促される。心配性が幸いして、
実行力がある人も多い。ただ、不安を消すためだけの行動は、何も生
み出さないことも多い。死なないためだけに、生きているわけではない。
三つ目は夢。
文字通り、未来を創っていくエネルギーになる。ただ、「お金持ちになり
たい」とか「成功したい」という具体性に欠ける夢のパワーは弱い。逆に、
数値化できるくらい具体性を持ち、期限のついた夢のパワーは強い。
夢を持ち続けていれば、目先の結果はあまり気にならない。結果に振り
回されるのは、失敗を恐れ危機感が動機づけになっている人々である。
ベンチャー企業で働く人の動機づけは、夢の実現でなければならない。
不安感を消すためや前例墨守で行動の選択を行なってはいけない。
慣れないことを実行するストレスや将来に対する不安を打ち消せるのは
確固たる夢を継続して持ち続ける意志の力である。安易な安定に安住
することなく、意志のスタミナを保ちながら、日々の行動の選択を行う
ことが、成長を求められているベンチャー企業経営者の責任だと考える。
2006.9.18