射撃について | 雷神トールのブログ

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トリウム発電について考える

バイアスロンはノルデイックスキーのクロスカントリーとライフル射撃を組み合わせたウインタースポーツです。起伏を取り入れた滑走コースと射撃場、さらにペナルテーループを持たねばならず、これらの条件を満たす競技場を作れる自然環境はヨーロッパでも非常に限られています。

射撃には、標的の命中度を競う射撃そのものが目的のレースと、バアスロンのようにあくまでもスピードを競うレースに組み入れられた射撃ではそれぞれの目的が異なってくるように思います。クロスカントリーと射撃を組み合わせることでバイアスロンは「動と静」が極端に交差するレースとなっています。

林の間を縫って上り下りとカーヴの多いコースを全速力で滑走する。クロスカントリーレースの間、選手たちは力の配分に注意し滑りに力を出し過ぎて心臓に過度の負担を掛けると射撃時の集中力を失いがちなのでそこは充分注意しながら滑りますが、それでも心臓は激しく鼓動を打ってる筈です。定められた距離を滑り終え、直後に射撃場に入り射撃位置に着く間も呼吸を整える様子が分かります。射撃の準備をしながらも呼吸を整え、銃を構えてからも心臓の鼓動を鎮めることに集中します。

射撃そのものが目的ではないにせよ、的を外せば外した数だけペナルテイーループを回らねばならないとか、非命中x1分が加算されるとか種目により違いますが、すべてタイムに関わるので、速くてしかも精密な射撃を行わねばなりません。

射撃には、伏せ撃ちと立ち撃ちのふたつあり、伏せ撃ちの方が銃を安定して保持できます。なので標的の大きさが違います。標的は50mの距離にあり、命中すると黒い的が白に変ります。伏せ撃ちの場合は黒くて丸い標的の中にある小さな丸を射当てねばなりません。小さな丸の直径は45mm、ゴルフボールほどの大きさですね。立ち撃ちの標的は直径115mm。

伏せ撃ちでは両肘と肩、頬と両手で銃の位置を固定し、息を止め無呼吸状態で静かにトリガー(引き金)を引きます。

 

 

立ち撃ちでは両肘が浮いてるので右利きならば左肘を骨盤の上に置き支えます。左手でしっかり銃を支え肩と頬で銃の位置がぶれないよう固定し、銃弾発射の際の衝撃を吸収します。右手は指は軟らかく柔軟性を保ち、手のひらはしっかり銃身を押さえねばなりません。

 

 

 

 

バイアスロンの射撃はそれ自体が目的ではないので、風が強くて銃身が揺れるとか脚が震えるとかして的を外すことは珍しくありません。射撃に長けた選手と滑りに長けた選手とがいます。W杯だけで100回以上優勝したノルウエーのビヨルン・ダーレン選手は射撃はあまり得意ではなく滑りの速さで射撃のミスを補い歴史的な大記録を打ち立てたとのことです。

スピードが勝敗を決めるので、射撃も速く撃つのが良いとされています。まあ、外して150m のペナリテイループを回る時間と数秒時間を掛けてでも命中を狙うか、状況に応じて選手は選択を迫られますよね。

以上はめのおがテレビ観戦とネットから得た射撃に関する知見です。銃を撃ったことは一度もありません。これからも撃つことはないでしょう。

 

余談になりますが、今シーズン、射撃で5発全弾外すなんてアクシデントが起こった。女子ではいまやベテランのアグネス・ベスコンでしたが、ベテランでもそういうことが起こるんですね。やはりフランス女子チームの今ではベテランに入るジュスチンヌ・ブレザが、リレーでトップを走っていたにもかかわらず射撃で4発外してしまった。おかげでフランスチームはトップから20位以下に転落。後のインタヴューで彼女は寒さで指の感覚がまったく無くなってた。チームメイトに申し訳ないことしたけどどうしようもなかった、と言ってました。これを聴いてた元世界チャンピオンで今はテレビでコメンテーターをしてるマリー・ドランが笑いながら(ジュスチンヌはときどきこうしたポカをやることで有名、男子若手のヒーロー、ジャクランもそうだけどね)、指だけじゃないのよ、頭(脳)もかじかんで痺れてるからポカやるのよ、とコメントしてました。翌日のレースにジュスチンヌは頭をすっぽり覆う毛編みのボネを被って出場してました。