突っ張らなければ生きていけなかった。
ステッドの母は男に依存しなければ生きられず、
別の家庭を持つ父親は、
新しい家族にステッドの存在を隠していた。
そんなステッドに与えられた天賦の才、
それが「声」だった。
ステッドはやがてその「声」に導かれて幸せを手に入れるが、
同時にその「声」を失う。
無くなることが分かっているのに、
どうしてこんなに厳しい訓練をしなければならないのか、
少年の問いに先生はこう答える。
「強くなるため」だと。
人はいずれ死ぬことを定めとして生まれてくる。
遅かれ早かれどうせ死ぬのなら、
どうしてこんなに苦しいことをしないといけないのか、
頑張らないといけないのか、
と自問したことの一度や二度は、
きっと誰にでもあることだろう。
ボーイ・ソプラノの儚さとその美しさは、
その答えを僕たちに教えてくれている。
無条件に心が震えるに違いないその歌声を、
出来るだけ静かな環境で、
心を研ぎ澄まして聴いて欲しい。
ただそれだけで、
きっと言葉には出来なくても、
「ああこういうことなんだろうな」と、
感じることが出来ると思う。
歌を歌いに行きたくなる。
全力で声を出したくなる。
そんな映画だった。
やっぱり音楽はいい。
ダスティン・ホフマンの指導は、
吹き替えじゃない方が良いかも知れない。
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