- 好みではないゾンビ映画だが、
- 架純ちゃんの出演している映画ということで、
- いずれDVDで観ようと考えていたのだが、
- 意外に高い評価のレビューが多く、
- それに押されてか興行の方も好調という報道があったので、
- だったら劇場で観ておこうと、
- 例によってレイトショーに足を運んだ。
どうみてもかなり辛辣な現実であるにも関わらず、
何となくホンワカとした、
うだつの上がらないアラフォー漫画家志望の主人公。
その日常が、ある日突然に激変する話だ。
愛想を尽かされて喧嘩別れした彼女からの、
一緒にいたい電話に彼女の部屋まで駆け付けたが、
新聞受けのスキマから尋常ならざる光景を垣間見る。
多分いきなり衝撃的な場面なのだが、
とにかく全編、明るさがいっぱいの昼間が舞台なので、
驚きはしても怖さはあまり感じない。
これが呪怨やら貞子ならば、必ずや夜がセットで、
夜ではなかったとしても辺りは急に薄暗くなるものだが、
大泉洋、長澤まさみ、そして有村架純という、
どう見ても闇より明るい太陽が似合いそうな面々に合わせてか、
とても明るく朗らかに話が進んで行く。
詳細不明のウィルスでゴチャゴチャになってしまった世界、
片っ端からゾキュン(ゾンビ)になっていく中、
高所ならウィルス感染しないという、
出所不明のネット情報を頼りに富士山に向かう、
大泉洋と有村架純。
人気のない山小屋で夜を明かして、
肩にもたれて眠っている架純ちゃんにちょっと欲情、
なんて場面も散りばめつつ、
でも架純ちゃんは既に半分ゾキュンになっていた、などという設定があったりして、
この辺はR15指定も含めて、
ここからとっても面白くなりそうな、凄い期待感が膨らんだ。
富士のアウトレットでゾキュンにならなかったモノ達の集団に合流、
ここで満を持して長澤まさみが登場したまでは良かったのだが、
その後が尻つぼみになってしまった。
時間の関係もあったのだろうが、
僅かな時間で組織された屋上の集団のルールや戒律のようなものを、
出来れば上手に表現して欲しかった。
巨大な壁と迷路に閉じ込められた「メイズランナー」にも似た環境、
若者が多く、当初男しかいなかった「メイズランナー」とは異なり、
ここには女も多数いる。
ラスト近くにリーダーだった男が長澤まさみに言う言葉から想像されるような、
多分にありがちな、
いかにも人間らしい性を、
極限状態の中でどんな風に強制していったのかを、
多少なりとも見せてくれれば、
謀反をおこして後釜のリーダーに座った男の目的や、
外に脅威となる戦うべき敵がいる極限状態にあっても、
小さな利権を奪い合ったり、
カリソメの安定を守りたがったりすることが、
リアルに実感として共感出来たのかも知れない。
延々と続くゾキュンを撃ちまくるラストの銃撃は、
相当思い切った映像だった。
良い悪いは別にして、
この位思い切るのは、映画にしかできない業だろう。
佐藤信介監督、図書館戦争のラストミッションも見てみよう。
ただ、それをもって「ヒーロー」と口走る、
半ゾキュンの架純ちゃんだが、
この架純ちゃん、
後半は寝てばかりでまったく活躍場面が無い。
これには、大不満。
折角のJKスタイルでの登場。
もうこれから先期待するのが難しいだけに、
実に、実にもったいなかった。