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今年のハロウィンにパートナーからもらった絵本。
おばけのシリーズのなかではいちばん好きなものです。ネッシーがにこにこしてかわゆし。物音におびえ、おふろに入り、いつまでたっても顔を出しているネッシーに気づかないのんびりしたおばけたち…。
アニメDVDも出ていますが、僕は断然絵本のほうがいいとおもう。
というのは、DVDを目にして最初に覚えたのは、おばけたちがやたら饒舌であるということへの違和感でした。
絵本というフォルム上(といっていいものかどうかよく知らないが)、絵が頁の大半を占めてあり、そのしたにセリフや説明の文章が入るわけですが、これがじつは漫画とはもっとも異なる点であって、絵のなかの時間とことばのおかれている場所の時間というものが、どこかべつべつにあるという感じが、特にこのシリーズではすばらしい。
つまり、絵としては、おばけもネッシーも、にこにこしているだけでなにをしゃべっているのかわからない、そしてわからないままで成立しきっていて、親が子どもに「これはね…」と説明するような目線で、いわば弁士的に、ことばが添えられる。
なので、いやにアクティヴにしゃべりまくるアニメに、僕は違和感を覚えたんだろうとおもう。
というわけで、絵がそれでもって背後の奥行きを、すなわち物語を誘い出す、どこまでも絵本な、すばらしい作品です。絵のしたに添えられたことばを読み、ストーリー(と一般的に呼ばれているもの)を追うことを横の動きとすれば、絵本にはひとつのページにとどまって縦の動きを促すちからがある。漫画だろうと小説だろうと、本来はどんなものでもそうだとおもうのだけど(これは速読では不可能な読み方だ)、ひとつひとつのページをゆっくりゆっくり読んでいきたい、滋味深い絵本です。
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