今週の範馬刃牙②/第171話 | すっぴんマスター

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(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

第171話/見たいな…



ピクルの全力鉄槌はものごっつい。しゃれにならない。

子供のケンカって、拳とか蹴りとかよりまず鉄槌が出ることが多いですよね。握った拳の側面。

だから、型なんかを習って、じっさいに「鉄槌」という呼称でこれが技術としてあると知ったときはなんか不思議な気分になったものです。


威力だとかリスクだとかを抜きでもっともとっさに出やすい技なのかもしれない。


地面に突っ伏すバキをピクルのおそるべき両足スタンプがおそう。ピクルじゃなくたってこれは強烈だ。条件がそろえば45キロの女の子がやったって効くだろう。


ピクルは踏みつけを続ける。いちおうバキは両腕でガードをしているが、どれほどの効果があったものか。



(強い…

文句なしに…


防いでいても…


まるで…


防御(ブロック)したその腕が…


急所になってしまったような…)



前面にかためたガードを破壊するように、ピクルのアッパーが真下からすくうようにやってくる。そしてバキはふたたび、いや三度宙を舞い、天井のライトを間近に見る。


ピクルの圧倒的パワーを体感しながらバキはオリバのことを考えていた。そしてピクルと対峙したオリバを夢想する。「見たい」と。うん、いやおれも見たい。

続けてバキはたったいま目前に見えた花山、それに父親の範馬勇次郎もおもう。真っ向勝負で、真正面から、この三人はピクルと勝負するはずである。うん、この三人ならほんとに見たい。悪いけど主人公なんかよりぜんぜん見たい。


だけれど範馬刃牙はおもうのだった。



(だけど…

そう…


本当の興味は…


本当に見たいのは――


範馬刃牙なら

どうコイツを仕留めるか…ッッ)



つづく。



読者が「××対ピクル」を「見たい」と考えるのは、べつに自然なことだ。

そしてまた範馬刃牙も、おそらく「バキ」という漫画の根源的な意味にひきつけられている読者と同じく、強いものどうしの対戦を見たいという欲求はふつうにあるのだろう。

しかしそのいっぽうで彼じしんもまたファイターでもある。「プロの看板下げたナンバー1ファン(by Mummy-D)」ですよ。オヤジを倒したいということの結果という但し書きつきとはいえ、「誰よりも強くありたい」と強烈に願うにんげんのひとりなのですよ。

だとしたら当然見たいのはじぶんとピクルの対決ということなんだろう。

そうすると、バキにはビジョンがないと見ていいのだろうか。

通常のリアルシャドーを、ピクルに関してはまだバキはできていないはずである。

だから今回に関してはなんの誇張もなく、バキは自分自身がどうやって勝つのか見たいと、まさに勇次郎や花山やオリバがどうたたかうのかを見たいというのと同じ水位で考えているのかもしれない。


そういうわけで、気持ちはよくわかるけれど、、、、うん、オリバや勇次郎のほうがぜんぜん見たいな。正直。



これは読者としてどうなのだろう…。



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