監督 中島哲也
出演 松たか子、木村佳乃、岡田将生
ショッキングで最初から最後まで気が抜けない素晴らしい映画です。
これぞ邦画!と僕は感じました。
あの、恨み、復讐などのおどろおどろしい感情はやっぱし邦画なんですよ奥さん!
冒頭から松たか子扮する森口先生がすんごい良い演技してます。
おかげで映画にすっかり引き込まれます。
自分の愛する娘をクラスの生徒に殺されたのに、冷静に、淡々と話を続ける松さんが逆に怖い。
次第にあきらかにされていく話にもドキドキします。
「命」の授業もよくわかります。
熱血的に、感情的に授業をされたら、冷めてしまったかもしれませんが、ここでも先生は淡々と話します。
恐ろしい話を。
自分の命が危険にさらされないと他人の命の大切さも感じることができないはずなのです。
ただ、命が大切と言ったってわかるわけがありません。
死と命は一体です。
今の中学校ってこんなにひどいのかな?とは思いましたが、この映画のクラスはひどいですね。
弱さゆえにより弱いものをみんなでいじめ、深く考えることが不安なため嘘くさい一体感で盛り上がる。
教育が未熟であることは恐ろしいとさえ感じます。
自分の中学時代もそんな感じだったかもしれませんけど、でも当時は怖い先生がいて秩序があったとは思います。
大人だって完璧じゃないんだ。先生だって弱いんだ。
甘ったれた者は、自分が受け入れてもらえないと怒り、自分勝手な理論で他人にひどいことができてしまう。
甘えは捨てなさい。
先生の復讐の仕方は最高でした。
復讐された生徒がものの見事におかしくなっていきます。
この映画のメッセージ性はいろいろあると思いますが、家庭環境の大切さもあるのだと思います。
親が親をやってない。
そういう家庭の子どもはどこか病んでいます。
後半、岡田扮するウェルテル先生が登場してきますが、俗に言う熱血先生。
クラスの本質を何も知らないし、何もわかっていないんだけど、「俺にぶつかってこい!」みたいな雰囲気でい続ける。
知らぬがゆえの悪というのもあると思います。
しかし、本当の悪人は誰なのか?
先生か、その生徒か、クラスメートか、熱血先生か・・・
人間の本質を描いている映画だと思います。