人の話を聴くとき、相手の気持ちになることを重要と考えておられる方をよく見かけます。
相手の気持ちになること、すなわち「同情」は、あまりよい結果を生みません。

「わたし、ふられちゃったの。もうショックでずっと落ち込んだままなの」
「そうなの、かわいそうに…」

さて、この会話はどのように進んでいくのでしょうかねぇ…。

傾聴において、同情することはよいこととは考えられていません。
相手と同じ気持ちになることは、自分が満足することであって、相手が満足するとは限らないからです。
「あなたにわたしの気持ちなんかわからないわよ!」
と、相手に言われたら、どうします?
あなたは必死で相手と悲しみを共有しようとしているかもしれませんが、相手からは上から目線で情けをかけてもらったように感じるかもしれません。
同情は自己満足の手段だと、わたしは思います。

では、相手にどのように関わればよいのでしょう。
傾聴の会話では、相手が感じている気持ちをそのまま伝えるように関わります。
「ずっと落ち込むほどショックなのねえ」
そして、相手がその気持ちをもっともっと話してくれるように関わります。

大切なのは、自分が相手の気持ちになるのではなく、相手が相手の気持ちをはき出すことを支えることです。

傾聴を学んでみませんか。