プレビュー 2016なでしこリーグ開幕戦 vs 日テレ・ベレーザ | Redの足跡 ~浦和レッズレディース~

Redの足跡 ~浦和レッズレディース~

浦和レッズレディースのブログ、観戦記。
女子サッカー、なでしこの話題。

■前回の対戦
2015年シーズン・エキサイティングシリーズ第2節

ホーム駒場での対戦


2-1の勝利


昨シーズンRS、ES共に6位だったレッズレディースが、1位から5位までのチームに対し唯一勝利した試合。


シーズンが変わったので内容を掘り下げて参考にするつもりはないが、田中美南選手に先制点を奪われるもCKの混戦から長船の同点弾、そして終盤の87分に右サイドへ飛び出した吉良のクロスを清家が流し込み逆転するという会心の勝利。


スタンドとピッチの一体感も感じられ、これぞ後押しと実感できる素晴らしい雰囲気で、初めて女子サッカーを生観戦した友人も大満足で帰って行った。



■日テレ・ベレーザ
2015年シーズンのリーグ女王である。


今シーズンは木龍・曽山・原と言う実績のある選手が引退し、準レギュラークラスの選手たちも4名移籍。
特に原選手の引退は相手チーム側の立場からみても衝撃的かつ惜しく思われ、チーム作りにも少なからず影響があるだろう。


逆に入団選手はメニーナから三浦選手、宮川選手が昇格し、常盤木学園から小林里歌子選手を獲得するのみに留まり、3選手とも若い年代の有望選手ではあるが、昇格した2名は2種登録での出場経験はなく、小林選手は昨年負った大怪我のため出場可能になるまでもう少しかかるだろう。


トータルの戦力はダウン方向と考えられるが、順調に経験を積んで成長している若い選手たちがシーズンを通してコンスタントに力を発揮できるかがキーとなるかもしれない。


スタメンで気になるのは原選手の抜けた後の阪口選手のボランチのパートナーだが、上辻選手、隅田選手、中里選手などが試されているようで、パッとイメージしたのは上辻選手だが、集めた情報を総合すると中里選手が本命の様だ。


阪口選手と原選手のコンビは2人とも幅広く動きながら阿吽の呼吸で一定のバランスを保ち、特に相手との駆け引きの面で非常に巧かったが、阪口選手が代表でチームを離れていた期間もあった中で、ボランチコンビの仕上がりには注目している。


もう一つ気になるのは五輪出場を逃して戻ってきた代表組の心身のコンディションだ。
若い選手が多いだけに、それを束ねる選手たちが不安定さをみせれば、チームとして崩れる可能性もゼロではない。



■スタメン
怪我情報なども含めてどちらかと言えばチーム情報を出さないスタイルのレッズレディースが、昨シーズンからTRMの結果を開示するようになって、しかも出場選手はおろかフォーメーションまで容易に予想できる書き方で、おまけにユース選手や練習生が複数参加しているのも丸分かりなのは如何なものかとも思うのだが、と言いつつもそれをしっかりと参考にさせてもらう。


TRM情報を総合すると、直前のジェフ戦1本目のメンバーが本線であることは間違いなく、岸川の抜けたところには栗島が入り、筏井は左SHに固定されている様子。


そのジェフとのTRMにおいて柴田華絵が25分で交代しているのは気がかりだが、もし出場不可なら塩越が入るのが本命で、2種登録された長風を入れて猶本とどちらかが前に出る可能性もなくはない。


サブのフィールドプレーヤーについては攻撃的に白木、塩越、中盤は長風、ディフェンスの臼井までは順当で、CBの控えは登録上長嶋がメンバー入りする可能性はあるが、アクシデントが起きた場合は乗松をCBに移しSBに臼井や塩越を入れる形を予想する。


加藤千佳もようやく直前のTRMで実戦形式の練習に復帰したが、出遅れた分じっくりと身体作りをしてから戻ってきた方が長い目でみてよいだろう。



■見どころ

プレシーズンはサイドからの組み立ての確認から入り、中盤まで運んでから相手ディフェンスの裏を意識するプレーを上積みし、最後はコンパクトな陣形で前から奪いに行く守備に取り組んでいた印象。


まずはこの3点がどれだけ出来るか注目したい。


特にコンパクトな陣形からのプレスはサイド攻撃以上にシーズンを通してのチームの生命線になるだろうし、相手ディフェンスの裏への意識は昨シーズン物足りなかった攻撃面に変化をもたらせるか楽しみにしている。

選手個人でみていくと、プレシーズン目立っていたのは後藤三知と栗島朱里で、三知は体が軽く縦横無尽に動き回り、特にこれまで少なかった自ら強引に仕掛けていく意識が感じられた。

久しぶりにシザーズフェイントを交えたドリブルから低い弾道のシュートを見せてもらいたい。


栗島は本来これくらは出来て当然という能力をようやく活かすチャンスが与えられたという印象で、細目に動きながらボールを多く触り、シンプルに、時に大胆にボールを動かしながら、機を見て自らもゴール前に飛び出すプレーで目立っていた。

猶本とのコンビがひとつのキーポイントであるが、栗島の機動力が消えないようなバランスを期待したい。



それから新加入の筏井も間違いなく注目選手で、入団に際してコメントした仕掛けのスイッチとしての役割と、得意のキックを活かして直接得点に絡むプレーで貢献してもらいたい。



また、試合展開にも左右されるが、昨シーズン課題だった選手交代の使い方も重要なポイントだ。


上のスタメンの項目の繰り返しになるが、攻撃的な白木と塩越、中盤を厚くしたい時の長風、守り切る時は臼井をいれての5バックも予想できるが、守りたい時に中盤のブロックを固めるカード、いわゆる守備的な中盤という意味では選手が思い浮かばない。


中盤を5枚にするオプションも一つの策であり、とにかくシーズンを通したチーム作りとして注目し見守って行きたい。


試合内容としてはこれまでの直接対決と同じようにコンパクトな中でのトランジションの速い緊迫したゲーム展開で、久しぶりの公式戦に痺れたいものだ。


そしてダイナミックなゴールで開幕戦の勝利を掴み取りたい。



■試合へ向けて

開幕への昂ぶりに任せて半分妄想のような期待を書いてしまった気もするが、まずは今シーズンも開幕を迎えられたことに感謝。


顔なじみの方々、サポーター中心部の皆さん、そしてレッズレディースの選手たちと共に1シーズン闘っていく覚悟と喜びを感じながらキックオフの瞬間を待ちたい。


女子サッカーはまた新しい未来向かって歩き出す重要な局面かもしれない。

考え始めればきりがないが、結局出た結論は"ENJOY FOOTBALL"。


とにかく新しいシーズンの開幕を全力で楽しんで、盛り上がっていきたい。



以上。