プレビュー 2015 RS第11節 vs ASエルフェン埼玉 | Redの足跡 ~浦和レッズレディース~

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■前回の対戦
2015年4月11日(土) 13時キックオフ・浦和駒場スタジアム
浦和レッズレディース 4-1(前半1-1) ASエルフェン埼玉
得点:29分 薊 理恵(AS埼玉)、40分 吉良知夏、67分 岸川奈津希、

72分 吉良知夏、82分 臼井理恵


開幕から2連敗で迎えた第3節。
大怪我から復帰した栗島がいきなりのスタメン、しかも右SBでの起用で驚かされた。


序盤、エルフェン埼玉のしっかりとマネージメントされたレッズレディース対策に苦しめられ、個の能力の高い薊選手に対し開幕から本調子でない和田のサイドが狙われて失点。
前半33分でその和田に代わり臼井を投入すると徐々に落ち着きを取り戻し、セットプレーから吉良のゴールで同点として折り返す。
後半に入ると徐々にエルフェン埼玉の運動量も落ちてゴールラッシュ。

終盤にはやや雑なサッカーになってしまったが、久しぶりに安心して楽しめる状況のまま勝利。


2014年シーズンは、ホームでの直接対決で快勝した後のアウェイNACK5で苦戦を強いられ、レギュラーシリーズ優勝へ痛いドローとなったことも付け加えておく。



■スタメン
前節欠場となった乗松は今節も難しいと予想され、CBを前節同様ちばみのにするのか、岸川にするのかがひとつの選択肢。
最近の吉田監督は忍耐がなく、ダメだったらすぐ代えて結果が出たらすぐ飛び付くという傾向にあり、相手に薊選手という強力なアタッカーがいること、加えて雨で難しいピッチコンディションが予想されることも踏まえると、経験と実績のある岸川を予想する。
そうなるとボランチは前節よいプレーをしたながふうがスタメンで抜擢される可能性も出てくる。

他にも不安定さが見えた平尾、攻撃面で持ち味が出せなかった和田、無得点で終わった攻撃陣にも変更の可能性が考えられるが、相手が客観的には格下のエルフェン埼玉ということもあり、変更して結果が出てしまうと、それが安易に肯定されてしまうのも怖い。


変えること自体を悪く言うつもりはないが、W杯中断期間中に取り組んだことが、前節の敗戦だけで否定される様なやり方だけは避けてもらいたい。



■ASエルフェン埼玉
1勝2分7敗の9位。
最下位の高槻に勝利し、伊賀とジェフに引き分け、レッズレディースとの勝点差は6。
現時点でESの上リーグ入りを目指すのもややハードルが高く、現実的には下位リーグに行っても残留争いを有利に進められるよう、まずは9位からの脱出が最低限の目標となるだろう。


ここまで総得点5の総失点13。
得点は薊選手が3点、サラ・グレゴリアス選手と高野選手が1点ずつ。


中断明けの前節はベレーザに0-1で敗戦。
公式データではシュート数2本に対し被シュート数22本。
圧倒的に攻められながら粘ったが、ベレーザ原選手のクロス気味のボールがゴールに吸い込まれた1失点に泣いたようだ。



■見どころ
上でも触れた通り昨シーズンのナクスタでは痛い目にあった。
現在のチーム状態を鑑みても、まずは守備から入り後半勝負くらいのイメージでも良いのではないか。


また前回の対戦ではエルフェン埼玉が以下の3点を徹底してきた。
・最終ラインを高く押し上げ三知と吉良への縦パスを潰す。
・華と猶本に入ったら必ず2人で挟み込む。
・奪ったら縦に速く攻め、特にエルフェンにとっての右サイドに薊選手を置いて守備の弱い和田の方からスピードで縦に仕掛ける。


結局は後半体力が落ちてレッズレディースの快勝となったが、この戦術マネージメントは敵ながら素晴らしかった。
チーム状態も人も変わり多少やり方も異なるだろうが、まずはこれに対処し、先手を取られないようにしなければならない。


怖いのはもちろん薊選手の個人技で、基本的には足元に入る前になんとかしたい。
それほど人数をかけて攻めてくるとは思わないので、マンツーマンに近い形で付いて徹底マークしてもよかろう。


もう一人注意したいのは高野選手で、運動量もありチーム全体の統率も出来る心臓部だ。
逆にここを断てばエルフェンを混乱に陥れられるはずで、狙ってプレスをかけるのも一つの策だ。


前節からの修正はまずビルドアップの部分。
特に相手の運動量がある前半でもアタッキングゾーンまで良い形でボールを運ばなければ、先制して優位な状況を作れないこれまでと同じ状況に陥るし、崩し方なんて語る資格もない。
エルフェンはさすがにジェフほどの連動したプレッシングと左右のスライドのスピードはないだろうから、勇気をもってボールを動かし、サイドから丁寧に前線まで運びたい。
これまでも度々みられ失点にのきっかけにもなった、消極的ミスだけは犯してはならない。


もう一つは前節、清家への縦ポンが目立った攻撃のバリエーション。
これもビルドアップと関連しており、高い位置に起点が出来れば変わってくるだろうが、先日分析した得点パターンの通り、近い距離間で多くの選手が絡みサイドを崩す狙いをしっかりと持ちたい。


また清家の個を活かすにしても、後方からのアバウトな縦パスではなく、中盤のラインまでボールを運び、囮の動きやコンビネーションでマークを剥がし、スペースを作りながら裏へ走らせたい。
"清家に助けてもらう"ではなく"清家の良さを皆で活かしてやる"の考え方で臨むことが必要だ。


早い段階で得点すれば前回のような大量得点の可能性もあるが、相手が疲れる時間帯まで粘り強く我慢して90分で勝点3をもぎ取りたい。



■試合に向けて
平日開催で"まずは会社を抜け出すところから勝負が始まる"という冗談は置いといて、雨の予報もありタフなゲームになるだろう。


そしてこの試合で勝点3を取れなければ"連覇"という言葉は一旦封印して、現実的に上位リーグ生き残りを目指さなければならない。

そんな覚悟を持って臨む試合だ。


泥臭く、粘り強く勝利を手繰り寄せたい。



以上。