プレビュー 2015 RS第10節 vs ジェフユナイテッド市原・千葉レディース | Redの足跡 ~浦和レッズレディース~

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■前回の対戦
2015年4月4日(土)13:00キックオフ・フクダ電子アリーナ

レギュラーシリーズ第2節
ジェフユナイテッド市原・千葉レディース 1-0(前半1-0) 浦和レッズレディース
得点:40分 オウンゴール(ジェフL)


開幕戦に続いてピリッとしない試合の入り方をしたレッズレディースと、プレシーズンからしっかりと仕上げ、菅澤選手を起点とした縦に早い攻撃が研ぎ澄まされたジェフ。
セカンドボールへの反応と球際の競り合いで大きな差が生まれ、CKを多く与えるなど防戦一方。
和田のクリアミスでのオウンゴールでリードを許して前半を折り返すと、後半頭から清家を投入。
ハーフタイムに監督から激でも飛んだのか、セカンドボールへの反応が良くなり、球際の激しさも出始める。
局面では良いプレーもあったが、流れとしてはリードしたジェフにしたたかにコントロールされ、吉良、のんと投入するも得点を奪えずに開幕から連敗。



■ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
4勝4分1敗の4位。

プレシーズンから仕上がりが良く、開幕から好調で上位をキープしていたが、中断直前の3試合で新潟とエルフェン埼玉に引き分け、神戸に敗れて勝ち点を伸ばせず4位で折り返し。


総得点は13でレッズレディースと同じだが、総失点が7とレッズレディースより5ポイント少なく、負けないサッカーが出来ている印象。(ジェフ側は勝ちきれないと捉えているだろうが。)
13得点中7得点を菅澤選手が挙げて得点ランク首位を走っている。


レッズレディースとは勝ち点5差でひとつ上の順位となるが、どちらかというと下位より上位を見据えているに違いない。



■スタメン
中断中の怪我やコンディション、布陣については自ら現場で入手した情報はほとんどなく、公式に発表されているトレーニングマッチの情報と伝え聞くものから推測したい。


直前の復興支援試合のメンバーは、この試合を睨んだものであることは間違いないだろうが、その試合で乗松が前半16分に退いているのは心配だ。

一方、右SBには石井が復帰してきており、栗島は本来の中盤で試されているようで、怪我がちだったGK陣も戻ってきている。
中盤から前の選手はコンスタントにトレーニングマッチにも参加できているようだが、ツートップの一角としてレギュラー組で出ていた清家が直前の復興支援試合には出ていない。

特別指定登録の北川はW杯中も公式戦が行われているチャレンジリーグにアカデミー福島の選手として出場し、直前の試合ではMF登録で2得点しており、コンディション良く戻ってきてくれているだろう。
中断中に受け入れが発表された水谷の練習参加状況、または筑波での状況は得られていない。


全体として気がかりなのはディフェンス陣で、固定できていない右SB、中断中チームを離れていた北川、乗松の状態、怪我がちだったGK陣とメンバーを固定してのトレーニングが出来ていないのは不安要素。
特に乗松が出れないようだと痛く、ちばみのの抜擢が本線だが、岸川を下げて栗島やハナをボランチに入れる策もなくはない。


こうやって並べるとネガティブ要素が多いが"サッカーは個でなくチームでやるもの"と半分強がりで言っておきたいし、ホーム駒場が選手たちを勇気付け、後押しで力を与えたい。



■見どころ
これまでの吉田監督のやり方を振り返っても、この中断期間中に何かを大きく変えてくるということは考え難い。
きっとこれまでのやり方をこつこつと積み上げて、精度、スピード、コンビネーションを高めてきたに違いない。

いずれにしても中断中に取り組んだことが観客に伝わるくらい意志統一されていることを望むし、それはシーズン後半戦全体を睨んでも重要な要素となるだろう。


対ジェフと考えた時には走り負けないことが大きな要素となるが、シーズン前半戦の戦いぶりと上にも書いたディフェンスの不安要素を考えた時、ジェフ得意の中盤からの飛び出しに対処していくことは楽なことではない。
そのひとつ前で走る形を作らせないことを重要視すべきだと考える。


キーとなるのは相手を押し込んで菅澤選手を孤立させることとセカンドボールを制すこと。
ジェフに対し4勝1分と負けなかった2014年シーズンはサイドの高い位置に起点を作ることで相手の両SHを押し下げ、菅澤選手を孤立させることで自由を与えず、セカンドボールも拾うことが出来ていた。

逆に前回の直接対決ではセカンドボールへの反応が鈍く、ジェフを前へ前へと走らせる形となった。

序盤の主導権争いで攻めに回るか受けに回るかが大きなポイントとなるだろう。


またこのところの直接対決では菅澤選手がレッズレディースディフェンダーの間に入りサイドチェンジのコースを断ち、苦し紛れに入れた縦パスを狙う戦法を取ってきている。
ボランチが後ろ向きで受けるような不用意な縦パスは避け、苦しければ思い切ってトップめがけて蹴ることも意識したい。


中断前に出ていた課題として一番大きいのは守備の不安定さで、ディフェンスラインの距離感と、その間に入ってくる選手へのマークの曖昧さが主要因と考えている。

上には中断期間中のトレーニングの不安も記載したが、だからと言って中断前と同じ課題を引きずっても仕方がないとは言わない。

ジェフを走らせないことが重要だと述べたが、一方で中盤から長い距離を走って飛び出された時にどれだけ対応できるかも注視したい。


最後に攻撃面だが、ひとつ前の記事でも触れた奪ってからの速い攻撃と仕掛けの勇気の部分に注目したい。

特にバイタルエリアに縦パスをどれくらい入れられるか、そしてそれに中盤の選手が近い距離でフォローする形を期待している。



■試合へ向けて

一歩引いて考えると、選手個々は次のなでしこジャパン、リオ五輪を見据えて然るべきだ。

特に東アジアカップの代表に予備登録された7名は、リーグで結果を出すことが代表入りに直結する。
そういった要素がプラスに働いてくれることも期待している。


またこの試合から2週間で4試合を戦い再中断に入ることを考えると、この4試合でチームとしてテーマを持ち、成果と言えるものを残していきたい。


もちろん目の前の1試合を全力で闘うことが最も重要で、チームとして結果を出し続けることが次へと繋がっていくだろう。


いろんな意味を踏まえて重要な中断明け初戦だ。

久しぶりの公式戦に気持ちの昂ぶりを抑えるのは難しい。



以上。



P.S.

13時からレッズレディースユースの試合も行われる。

関東リーグ優勝を目指す選手たち。

個性豊かな若いパワーの躍動もきっと楽しめると思うよ。