プレビュー 2015 RS第8節 vs 日テレ・ベレーザ | Redの足跡 ~浦和レッズレディース~

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■前回の対戦

第36回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会 決勝
2015年1月1日(木・祝)14:15キックオフ・味の素スタジアム
浦和レッズレディース 0‐1(前半0‐1) 日テレ・ベレーザ
得点:19分 田中美南(日テレ)


雪もちらついた元旦の味スタ。

タイトルをかけての一戦。

早い段階で先制され、すぐに清家を投入して流れを引き戻そうとしたが、ベレーザに個でもチーム力でも気持ちでも少しづつ上回られ、自分たちの良さはおろか気持ちさえも外に伝わってこないほど巧みに試合をコントロールされて全力を出し切れないまま敗れた印象。


悔しいけれどベレーザの方が強かった。


年に何試合かはこういう試合もあるけれども、素晴らしい2014年シーズンの最後の試合、しかもタイトルのかかった一戦でそうなってしまったことに、今振り返りながら改めて悔しさがこみ上げる。



■日テレ・ベレーザ

今シーズンはすでにトップでも活躍していたメニーナの選手たちが順当に昇格。

監督も森氏に交代したが、驚いたのは荒川選手と上辻選手の加入。


特に上辻選手は私がプレシーズンに練習見学した時はベレーザらしい細かくてテンポの速いサッカーにフィットしていない印象だったが、木龍選手や隅田選手を押しのけてスタメンを確保し結果も出している。

ベレーザのサッカーにプレーを合わせたというより、上辻選手らしいキープ力と中距離の展開力で異なるテンポを与え、よいアクセントとなっているようだ。

それにより阪口選手のゴールに近いところでプレーする時間が長くなったのも大きいようだ。


ここまでの戦績は5勝2分無敗の2位。

しっかりとした技術とテンポのよいサッカーに、代表クラスの選手が要所を締めるスタイルは成熟を重ね、7試合で16得点3失点は抜群の安定感と言わざるを得ない。


攻撃では爆発力はあるが調子に波のあった田中美南選手が、開幕からスタメン出場を続け、6ゴールを挙げる活躍でチームを牽引している。


前節は開幕から連勝を続けていた神戸を撃破し、勝点差1に迫った。

今後2試合、神戸は上位チームとの試合が続くので、連勝を続ければW杯中断前に首位を捉える可能性もありうる。


中3日の連戦でも前節はホーム味フィで、今節の鴻巣も遠征には入らないので、移動距離による疲労の面でもレッズレディースよりアドバンテージがある。


なお阪口選手は前節53分からの途中出場となっており、怪我かコンディション面の不安がある可能性が高い。



■スタメン
1週間で3試合目。
ここ2試合は移動距離も長いアウェイでの試合。
しかも気温も高かった。

選手層に余裕のある状況でもなく、途中交代で出入りする選手もほぼ同じで、フルタイム出場を続けている選手も多い。

若いからとか、負けてないから精神的に疲れないとか、サポーターの後押しでとか言っても、誤魔化しきれないくらい疲労は出ているはずだ。


ここ2試合観ていないので選手の状態についてはコメントできないが、前節の前半は0-2で折り返し、ポジションを変えた後半に得点が取れていることから、スタメンをいじることは十分考えられる。
加えて平尾が前節の前半で負傷交代したようで、状態が非常に心配であり、今節はさっこが復帰することも予想される。


戦術的には前節の後半はハナを左SHに据える新たな形で臨んだようで、そのハナが左サイドからアシストを決めている。
このところ流れが悪いと試合中でも大胆にポジションを変え、成功したらそれを継続、うまくいかないとまた変える、というのを繰り返しており、人もポジションもころころ変わり過ぎな印象がある。


REDS WAVEのインタビューで吉田監督は"流れが悪い時は変えていかなければ"というニュアンスのコメントをされていたのだが、細かいコンビネーションを積み重ねて強さを発揮するのが今のレッズレディースのスタイルであり、昨シーズンは良い時でも悪い時でもメンバーを固定し続けて成功を収めたことを考えると、今シーズンは7試合を消化し、まだ得意な攻撃パターン、お決まりの選手交代も構築できていない。


この試合に限っては疲労面も考慮しつつ、直近で結果が出た形を選択するしかないだろうが、もう少しメンバーを固定して我慢しないと、シーズン終盤にチームの成熟度で後れを取ってしまうことを危惧する。


まあ、ファン心理としては鴻巣と言えば加藤千佳の活躍を期待するのだけど。



■みどころ

試合開始から5バックで臨むことも頭によぎるほど、しっかりと守備から入らなければならないと考えている。

それだけ今のベレーザの攻撃力は脅威だし、対するレッズレディースの守備は脆い。


一方で我慢比べになっても90分間持ちそうになく、前線に清家、白木、猶本あたりを並べて手数をかけずに攻めきる形も妄想したりする。


現実的に考えるとそこまで大胆な形は取るはずもなく、いつもの対戦のように中盤での攻防が鍵となるだろう。

ぶっ倒れるまで足り切る覚悟で相手より一歩早く動き続けなければならない。

その前提となるのは前後左右のコンパクトさだ。


また付け入る隙があるとすれば、おそらくベレーザは他チームのようにレッズレディースのサイド攻撃を塞ぐ対応は取らず、あくまで自分たちが主導権を持つ前提の戦い方をしてくるのではないかと思う。

メンバーはやや変わってはいるが、昨シーズン積み上げて身体に染みついたサイド攻撃を苦しい今だからこそもう一度思い出したい。


攻撃面では中央で三知が岩清水選手を引きつけ、そこを囮にして他の選手が裏のスペースを狙う形が、これまでの戦いでもチャンスを作っている。
また、左サイドの北川とベレーザの清水選手の攻防は非常に楽しみであり、オーバーラップする清水選手の裏のスペースも狙い目だ。


守備では両SBとCBの間のスペースに入ってくる選手を捕まえることが出来るかと、個で縦に仕掛けてくる選手をカバーリングも含めて抑えなければならない。
両方ともSBの中央への絞り、スライドがポイントとなり、両SBは攻守に運動量が求められるとともに精神的にも非常に気を使うゲームとなるだろう。


このところ前半不安定で後半に得点する試合が続いているが、体力的に厳しい試合が予想される中で、フレッシュな前半勝負なのか、我慢して終盤勝負なのか、いずれにしてもはっきりとしたゲームマネージメントで臨みたい。



■試合に向けて

正直に言うと好調なベレーザに対する恐怖心より自分たちへの不安の方が大きい。


ただ私個人にとってはアウェイ2試合は足を運べず、2週間ぶりの試合なので、それに対する待ち遠しさ、ワクワク感が先行し、はやる気持ちを抑えられない状態。


とにかく厳しい試合になることは間違いなく、まずは闘わなければ何も始まらない。


選手たちを信じて、どんな状況でも後押しの気持ちを忘れずに。



以上。