ブロンデルの定理 | NOTE

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備忘録

図.n相n線式回路の電力測定

 

 

ブロンデルの定理:n線式の多相交流の電力は、(n-1)個の単相電力計を用いて測定することができる。

 

証明:各相の電圧がe1,e2,e3,…,en-1,enで、各相の電流がi1,i2,i3,…,in-1,inであるとすると、各相の電力の瞬時値はe1i1,e2i2,e3i3,…,en-1in-1,eninとなり、多相回路全体の電力Pは、

  

となる。ここで、<…>は時間平均を表すとする。

 次に、各電力計の指示を考えると、P1は、P1=<e1-en>i1,P2は、P2=<e2-en>i2となるから、各電力計の指示の和は

              

である。

 交流電流はであるから、となり、これより上式の右辺は

となる。したがって、これが多相回路全体の電力を表していると言える。□

出典:電磁気計測 西野治著 P130,ブロンデルの定理

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 要するに相の数に対して、電力計は1つ少なくて良いということだが、

例えばnが3、つまり三相交流の場合を最後の式から考えると

となる。すなわち、2つの電力計で値を読み取れば、三相交流の全電力を測ることができる。このような方法は2電力計法と呼ばれる。

 今回は個人的な事情でこの定理について調べたが、現在は電気工学を専門にしているため、こういった機会は増えるかもしれない。

 

 

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