現場ネタです。

留置針と翼状針をご存知でしょうか。


留置針(サーフロー)
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別名サーフローとも呼びます。この針は内筒と外筒から成り、穿刺した後に金属部分の内筒を引き抜くので、最終的には柔らかい外筒のみが静脈内に留置される形になります。

入院中など、長期にわたって点滴が必要な場合は留置針の適応となりますね。留置針は柔らかい部分が血管内に入ってるだけなので、そのまま数日は留置しておけます。

毎日点滴がある時でも、その留置されたルートを利用して毎日点滴できます。点滴のたびに針を刺して患者に痛い思いをさせずに済みますね。

血管内に留置するときは、こんな感じになります。
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お次は翼状針です。


翼状針(トンボ)
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翼状針とは先端部分が翼のような形をしている注射針です。羽が付いていることから持って穿刺しやすく、また羽の部分をテープで固定しやすいというメリットがありますね。

血管内に留置するときは、こんな感じになります。
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翼状針は、金属製の針が静脈内に刺さったままになるので、その間はあまり体を動かしてはなりません(トイレなどで身体を動かすと、少なからず金属針も動きますので、血管壁を突き破ってしまうことが多いです)。短い時間の点滴などで用いられます。外来で短時間に点滴を入れて、すぐ帰るような場合などに利用しやすいです。また、翼状針は、点滴だけでなく採血にも流用できますね。


どちらも一長一短で、時と場合により使い分けます。

いずれにせよ、針が刺さるのですから、刺されるときは患者に少なからず苦痛が生じます。

外科医と同じで、とにかく実際に回数を刺さなければ、技術は上達しません。

今後も常に技術の向上に努め、なるべく患者に痛い思いをさせる回数を減らせるよう頑張ります。

「蚊」になったつもりで。


では、また明日パー