ルーティン・ワ… | 我々少数派

ルーティン・ワ…

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 街頭景気が回復してきた(というより単にいいポイントを発見しただけだが)こともあって、珍しく勤労意欲が湧いている。

 私の仕事スタイルはちょっと変わっていて、ストリート・ミュージシャンとはいっても普段は実はほとんど歌っていない。街頭に出ている時間のうち大半は、目の前を通る酔客たちに、「1曲どうですか、何かリクエストないっすか、幅広くやってますよ」と声をかけ、引っかかった(?)人が「じゃあ何々を歌ってくれ」と云ってきた時点で初めて歌うのである。
 そのために大量の、譜面をコピーして貼り付けたノートを「職場」には持参する。「大量」というのは具体的には千曲ほどである。これぐらい用意しておくと、まず9割方のリクエストには応えられる。もちろん、弱いジャンルはある。洋楽は(英語ができないのでレパートリーに加えるのに手間がかかるため)ビートルズとサイモン&ガーファンクル以外はほとんどやってないし、日本の歌でもここ10年ぐらいの“新しい曲”はやはりほとんどできない。もっともそのへんは、リクエストを聞く際に、「主には日本のフォークとロックをやってますが、それ以外でも多少はやれます」というふうに云うし、そもそも50代以上の年配層が主要ターゲットで、若者にはあまり声をかけないから、結果として9割方、まあ95%ぐらいのリクエストには応えられるようになっている。

 で、普段はそういう、「1曲どーですか」スタイルなんだが、週末など人通りが多くていちいち声をかけにくい時や、テンションが低くて人に声をかける気力がない時などは、普通のストリート・ミュージシャンのように一方的にいろいろ歌って、誰かが立ち止まった時にリクエストを聞く。もちろん「仕事」なんだから、そういう時にも自分が歌いたいものではなく、人が立ち止まる可能性の高い、要は「ありがち」な選曲をする。
 これまでは、『フォーク・ニューミュージックのすべて』的な、5百曲ぐらい載ってる歌本を開いて、中でもよく人が立ち止まる50曲ぐらいを、巻頭あるいは巻末から順にルーティンに消化していくことが多かった。が、“すべて”とは銘打ってあるものの、実際にはその歌本に載ってない「よく人が立ち止まる曲」もいっぱいあるわけで、もちろん逆にあんまり一般人気のないマニアックな曲もいっぱい載ってて、しかも個人的に好きな曲だったりするとついでについそれもやってしまって(例えば「赤色エレジー」とか「誰かが風の中で」とか)案の定誰も立ち止まらず時間を無駄にしてしまったり、もっと効率をよくしたいものだと前々から思ってはいた。

 そんなわけで数日前、勤労意欲が湧いている勢いで、新たにそういう「人が立ち止まりがちな曲」ばっかりまとめたノートを2冊、製作した。詞・曲とも暗記しているのでわざわざ譜面をコピーして貼り付ける必要のない曲についても、「時々やれ」と自分に命令する意味でタイトルだけ書き込んだ。
 収録したのは全部で百数十曲。
 具体的には、以下のとおりである。

          ※          ※          ※

フォーク・クルセダーズ
 悲しくてやりきれない
 イムジン河
はしだのりひことシューベルツ
 風
はしだのりひことクライマックス
 花嫁
北山修/加藤和彦
 あの素晴らしい愛をもう一度
吉田拓郎
 今日までそして明日から
 イメージの詩
 旅の宿
 人生を語らず
 落陽
かまやつひろし
 我が良き友よ
井上陽水
 傘がない
 氷の世界
 夢の中へ
 能古島の片想い
 リバーサイドホテル
 少年時代
泉谷しげる
 春夏秋冬
かぐや姫
 神田川
 赤ちょうちん
 妹
 ぼくの胸でおやすみ
南こうせつ
 夢一夜

 22才の別れ
イルカ
 なごり雪
チューリップ
 心の旅
 サボテンの花
小椋佳
 さらば青春
布施明
 シクラメンのかほり
荒井由実
 あの日にかえりたい
松任谷由実
 春よ、来い
バンバン
 「いちご白書」をもう一度
中島みゆき
 時代
 地上の星
 ヘッドライト・テールライト
山本コータローとウィークエンド
 岬めぐり
さだまさし
 秋桜
 償い
アリス
 遠くで汽笛を聞きながら
谷村新司
 群青
松山千春
 大空と大地の中で
 恋
 長い夜
チャゲ&飛鳥
 ひとり咲き
河島英五
 酒と泪と男と女
 時代おくれ
上田正樹
 悲しい色やね
Boro
 大阪で生まれた女
マイペース
 東京
因幡晃
 わかって下さい
浜田省吾
 路地裏の少年
 もうひとつの土曜日
 悲しみは雪のように
長渕剛
 巡恋歌
 順子
 素顔
 乾杯
 とんぼ
 しあわせになろうよ
さとう宗幸
 青葉城恋唄
村下孝蔵
 初恋
オフコース
 さよなら
H2O
 想い出がいっぱい

並木路子
 リンゴの唄
岡本敦郎
 高原列車は行く
舟木一夫
 高校三年生
美空ひばり
 川の流れのように
石原裕次郎
 わが人生に悔いなし
渡哲也
 くちなしの花
小林旭
 熱き心に
坂本九
 上を向いて歩こう
ワイルド・ワンズ
 想い出の渚
加山雄三
 旅人よ
尾崎紀代彦
 また逢う日まで
沢田研二
 時の過ぎゆくままに
 勝手にしやがれ
太田裕美
 木綿のハンカチーフ
 さらばシベリア鉄道
中村雅俊
 ふれあい
森田公一とトップギャラン
 青春時代
夏川りみ
 涙そうそう

鳥羽一郎
 兄弟船
千昌夫
 北国の春
日野美歌
 氷雨
石川さゆり
 津軽海峡冬景色
山本譲二
 みちのくひとり旅
内山田洋とクールファイブ
 長崎は今日も雨だった
森進一
 襟裳岬
 冬のリヴィエラ

矢沢永吉
 アイ・ラブ・ユー・OK
RCサクセション
 スローバラード
 雨上がりの夜空に
タイマーズ
 デイ・ドリーム・ビリーバー
サザン・オールスターズ
 栞のテーマ
 真夏の果実
 TSUNAMI
桑田圭祐
 白い恋人達
シャネルズ
 ランナウェイ
クリエイション
 ロンリー・ハート
尾崎豊
 オー・マイ・リトル・ガール
 アイ・ラブ・ユー
ブルーハーツ
 リンダリンダ
 トレイントレイン
 青空
 情熱の薔薇
真島昌利
 アンダルシアに憧れて
ハイロウズ
 日曜日よりの使者

徳永英明
 壊れかけのRadio
ミスター・チルドレン
 クロス・ロード
 トゥモロー・ネバー・ノウズ
スピッツ
 空も飛べるはず
 ロビンソン
 チェリー
エレファントカシマシ
 今宵の月のように
シャ乱Q
 シングル・ベッド
虎舞竜
 ロード
山崎まさよし
 ワン・モア・タイム、ワン・モア・チャンス

ベン・E・キング
 スタンド・バイ・ミー
ニール・セダカ
 恋の片道切符
エルビス・プレスリー
 好きにならずにはいられない
ピーター、ポール&マリー
 パフ
ボブ・ディラン
 風に吹かれて
ビートルズ
 シー・ラブズ・ユー
 ヘルプ!
 イェスタデイ
 レット・イット・ビー
 ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード
サイモン&ガーファンクル
 サウンド・オブ・サイレンス
 スカボロー・フェア
カーペンターズ
 トップ・オブ・ザ・ワールド
 イェスタデイ・ワンス・モア
CCR
 雨を見たかい
イーグルス
 ホテル・カリフォルニア

          ※          ※          ※

 見れば見るほど「黄金のラインナップ」である。
 これはあくまで「人が立ち止まりやすい曲」で、「よくリクエストされる曲」とは微妙にズレている。例えば吉田拓郎で云えば、ここに挙げた5曲と同じぐらい、「マークⅡ」という曲をよくリクエストされる。が、だからといってこっちがリクエストに先んじて「マークⅡ」を歌っていても、あんまり人は立ち止まってくれないのである。

 とにかくこれで、人通りが多すぎる時や、通行人をわざわざ呼び止めるほどの元気がない時には、とりあえずこの2冊のノートのどちらかをテキトーに開いて淡々と歌っていれば最低限の「仕事」にはなる、という態勢が作られた。
 表紙に思わず「ルーティン・ワーク」と大書しそうになって、「いやいや客に見られると印象悪い」と思いとどまり、「スタンダード」と書いた。