『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』をやっと観た | 我々少数派

『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』をやっと観た

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 ものすごく遅ればせながら、昨夜ストリート・ミュージシャン稼業から帰ってきてから、深夜の塾舎で1人、『実録・連合赤軍』を観た。
 正直、とっくに左翼をやめてファシズム転向した私にとって、72年の連合赤軍事件はあまり重要ではなくなっている。自分のことは抜きに考えても、連合赤軍よりも反日武装戦線の方が、思想的には重要な問題だと感じている。連合赤軍事件の「以前/以後」で語られる左翼運動史には、大きな違和感を持つ。むろん私は20代をとおして笠井潔の圧倒的な思想的影響下にあったから、その時期にはやはり連合赤軍事件「以前/以後」というフレームで考えてもいたのだが、異端的極左活動家としての現場体験を深めていくうちに、そんなものはかなり瑣末なエピソードであって、本当に重要なのは70年の華青闘告発と74年の反日武装戦線の方ではないのかと考え始めた。スガ氏が同じようなことを書いているのを知ったのはだいぶ後のことだが(そしてむろんスガ氏は連合赤軍を「瑣末なエピソード」以上のものとみなしてもいるが)、当事者の世代の論客との意見の一致にかなり勇気づけられた。
 というわけでもはや「べつに観なくてもいーか」とも思っていたのだが、いずれ近いうちに毎週日曜夜の定期交流会に大先輩ファシストの牛嶋徳太郎氏を招こうと考えており、同氏は「赤軍派についてはおれが一番詳しい、塩見孝也よりも詳しい」と豪語し、次に塾舎に来る時には『実録・連合赤軍』の解説をしたいということだったので、そろそろ観ておくかと。
 実際に牛嶋氏を招いての交流会がいつになるかはまだ未定だが、参加したい諸君は事前に観ておくべし。そもそも「べつに観なくてもいーか」というのはすでに連合赤軍事件についてはある程度いろいろゴニャゴニャと考えた上でファシストとして完成した私だから云えるのであって、そうでない諸君は全員観た方がいい映画ではある。

 どうでもいいことだが(本当はちっともどーでもよくないことだが)、森恒夫・永田洋子のコンビは矢部史郎・山の手緑のコンビにそっくりだといつも思う。その矢部史郎だが、一昨日、略式裁判で罰金10万円を支払って釈放されたそうである。一般刑事犯には、政府も甘いな。