★大阪の知事選挙、市長選挙は自民党大阪府連対おおさか維新の会の全面対決となったが、自民党は党3役をはじめ、閣僚の大半を投入するも、候補者 と政界引退を表明している大阪市長・橋下徹人気に一蹴された構図で、投票箱がしまった瞬間の午後8時にはダブルで当確が出るなど、維新の圧勝となった。す ると今度は大阪や近畿選出の自民党議員から来夏の参院選挙や、ダブル選挙もうわさされる衆院選挙への危機感が出始めているという。

 ★つまり維新に勝てないということなのだろうか。一部には今回の大阪ダブル選挙で自主投票を決めた公明党に対しても「ちゃんと支援してくれている のか」といった疑問の声も上がっているという。こんな話を聞くと、今回の選挙も負けるべくして負けたと思えてくる。もともと維新の議員の多くは、大阪府知 事・松井一郎を筆頭に自民党大阪府連出身者が多い。つまり改革は自民党にいては出来ないと逃げ出した者が多いということを忘れてはならない。日本第2の都 市で、あぐらをかいていて、大阪府民や市民から愛想を尽かされた自民党につける薬はないと思うべきなのではないか。

 ★24日、日本記者クラブで戦後政治について講演した前日本共産党議長・不破哲三の話を思い出す。昔の自民党には「政策に幅があった。政策の主要 部分が全て国民世論から孤立している。本当に危ない」とし、「昔は現政権が失敗すればそれに代わる勢力があったが、今は内部から転換するエネルギーがな い」と分析していたが、ふに落ちる話だ。その意味では公明党批判よりも維新にシンパシーがあるといわれる官房長官・菅義偉への批判が出てこないあたり、ポ ストや公認権を握っている官邸中枢には頭が上がらないというのも、その一例だろう。明日29日、結党60年を迎える自民党は政権を維持しているものの小粒 になったということだろうか。(K)※敬称略