決戦の金曜日
待ち合わせ場所へ向かう電車の中で
まだ懲りずにブラックのことを考えていた。
土曜日は空いてますか ってグリーンと中島君からのお誘いにも気が乗らず
今から会うブルーとはたぶんたいしてもりあがんないんだろうなって
なんか勝手にそんな予感してた。
なんかむなしすぎて 不倫娘に
彼氏欲しい!!!!
といやがらせメールもしたりしてみた。
待ち合わせにやってきたブルーは
ありえないくらいに
イタリアのイケメンテイスト
ちょっと長めの髪にキャップをかぶって182cmのオシャレメンズが私に微笑みかけるんすよ。←中島君のときとはえらい表現の違い
私今までそりゃあイケメンとかも見たりしてきたわけですけど
こんなに私好みのトータス松本顔で(昔の男前顔が好き)長身で
オシャレで会話してても弾む男なんて
会った事ねーよ!!!!!
また声が低くて渋くて超心地いい!!!!
予約したという店に連れて行ってもらった。
店をなんとなく決めて混んでて待つとかそんなだりぃこともなくスマートに事をすすめるんすよ。
「カフェちゃんって電話でしゃべったまんまやな。でも。なんだろ。仕草とかでほんと年齢より若く見えるっていうか。だんだん可愛く見えてこさせるっていうか」
まるで黒魔術にかかったとでもいいたいのか。
あいにくおいらは一休の弟子でしかないから。
とんちは使えても魔術は使えません。
ゆったりしたソファーで向かい合って食事してたんだけど。
濃いめのキューバリバーを5杯は飲んだ頃
「で?どうなん?」
ってアタシってばおっさんか
自分から意見求めちゃった。
「正直どうなん?あたしの事どうなん?」
もうただの酔っ払いでしかない
ブルーが酔い目の私から見ても動揺してた
「今日初めて会ったわけやしどうやって言われても困るけど」
って。コレなんかよくあるかわし方ぢゃね?
でも。手を広げて
「上が好きで下が嫌いだったら 上の方のこのへん」
って。
けっこう上の方
だからっつっても
結局何?そのあいまいさ
でもこんな色男が 金目的でもなく 雑誌に載ってたいい雰囲気のお店で食事してくれてるって事がものすごく贅沢ぢゃね?
これは神様がくれたプレゼントだ!!!!
せっかくの褒美なのにいい男を前にして
7杯飲む頃にはぐでんぐでんになってたワケ。
そっから 最悪な事に断片的に記憶が抜けている。
私がまたしつこく聞いたからか
「嫌だったら終電理由に俺もう帰ってるって」
と言われたり。お見合いパーティーの7番の話にひとしきり笑った後に
「いや。でも7番も本当に迷ったかもしれないしさ」
とか慰められたり。
「あーでも俺ブラックの気持ちも分かるかもー。でも。意外とすぐ忘れれるよ。それ好きだからひきずってるってかんぢぢゃないし」
とか。色んな話したんだけど
なんでか
店の人が いないと思って探したら座敷の方で寝転んでたからか
酒の勢いか
家に来るか問われたからか
ホテルに誘われたからか
「ぢゃあ チューしてよ」
とか言った気がする
で。誰も居ないオシャレなバーで。
自分好みのイケメンの綺麗な首筋が近づいてきたと思ったら
唇がやわらかく熱い感触を受け止めていた。