佐藤天彦名人はポナンザ相手に71手で投了。
名人と言えど、ソフトの壁は厚かった。
ポナンザが5五馬と引いたところで投了。
ポナンザの持ち駒は香に歩四枚だから、どうやっても飛車が助からない。
評価値では常にポナンザ優勢で、時間が経てば経つほど右肩上がり。
名人は良いところなく敗れた。
ただ、見てた感じ。
ポナンザの早指しに名人が焦って自爆したように見えた。
天彦名人ならひょっとして、という期待もあったけど、予想通り100手も粘れなかった。
いや、手数だけでいえば粘ろうと思えば粘れたで。
でも、名人ゆえ、先が見える。
意味のない粘りはしない。
潔く短手数で投了。
あれも名人の誇りかな。
棋譜は残るわけだし。
まあ、それは良いとして。
次にポナンザと対戦する前に名人戦がある。
挑戦するは稲葉八段。
若手同士の対決となった。
渡辺や羽生を差し置いて挑戦者になったんだから、稲葉八段は立派。
しかし、そうした若手が台頭する中、3月31日、元名人の森内がフリークラス入り宣言をした。
名人になった人はA級に拘って、A級を陥落するとほぼ引退してしまう人が案外いる。
A級にさえいれば、また名人に挑戦することが出来るかもしれんけど、一旦Bクラスに落ちてしまうと中々A級に戻るのは難しい。
中にはB級に落ちても頑張ってA級に復帰した人もいるし、加藤一二三のようにボロボロに負けてC2に落ちてまでも指し続けた人もいる。
加藤一二三の場合、年齢の問題があってC2陥落した時点で引退が決定した。
ただ、森内は羽生と同じ歳だから、同世代が頑張っている中、早々とフリークラス転入したのは残念としか言いようがない。→森内コメント
中原や谷川でもB級で頑張ったんだけどね。
永世名人の称号を得ている森内の早々のフリークラス宣言は意外だった。
ちょっと負け方が最近酷かったからね。
将棋に対する情熱がなくなってしまったのかなとも思う。
将棋界はちょっと今、例の三浦事件で揉めてたりする。
棋士会でも渡辺の責任を問う声が出たらしい。→名指しで批判
渡辺のブログでも厳しい意見が出たと言うてる。→真摯に受け止める
こう言ったらなんだけど、三浦事件に関わった渡辺や千田が棋王戦を戦い、最初に三浦を疑ったとされる久保が王将位を獲得したりと、何かと面倒臭い状態になってる。
佐藤康光が会長に立候補して事態の収拾に奔走してるけど、ウティもフリークラスに転入するくらいなら、理事くらいにはなってほしかった。
やっぱり、強かった棋士じゃないと、下の者も理事会を軽んじてしまうだろうし。
歴代の会長がそうだったように。
役職に就いた棋士のほとんどが、成績が下降する。
モテ光もこれから連盟の仕事が忙しくなって、A級に残ることが難しくなるんではないかな。
羽生世代の三強とも言える二人が、こんなことになってしまったのは本当に残念。
もっとウティの将棋が見たかった。
あの重厚な受けは「鉄板流」とも言われたんだけどね。
ええキャラしてたし、ニコ生で観れなくなるのは寂しいな。
でも、勝負の世界だから仕方ないか。
将棋界に新しい波が来てるのは事実。
ほなな。