伝統きゅうり | 東光庵 鍼灸指圧施術所と染織よもぎ工房

伝統きゅうり

今年はきゅうりが収穫できています。

畑には水場が無く、毎朝行ける訳でも無いので、成長の早い夏野菜はあまり植えないのですが、今年は気が向いて種を蒔いていました。

水不足と日照りで枯れると思ってたきゅうりが今年は勢いよく蔓を伸ばし、気づけば立派なきゅうりが成っていました。


さて、このきゅうりの種は
長野県の野口種屋さんからいただいています。
こちらの種は自家採種可能な種。育てた野菜から種をとり、また蒔けるのです。

当たり前の事ですが、野菜は種からできます。
その種はどこからできるのでしょう。

本来は
大根なら収穫せずそのままにしておけば花が咲き、種ができ、それを種蒔きまで保管しておきます。
その土地で育った大根が、種に自分の経験を詰め込み、次の世代に伝えます。
するとその土地に合った大根ができます。
その大根をその土地で暮らす者が食べると、その土地に合った体となります。


しかし、現代は種は種屋さんが用意します。
その種は、どこでも安定して、味も形も均一に、病気にもなりにくいというもの。
そしてその種から成った野菜からは種をとっても次はうまく育たないのです。
農家は種を毎年買わなければなりません。
種は人工的に交配させて優等生な種を作ります。
遺伝子組み換え種子やそれに近いものも沢山あります。

良く成り、均一で商品としては良いのかもしれません。
しかし命の繋がりはそこにはありません。

それが栄養学的に体へどのように影響するかはわかっていません。


野口の種からいただく自家採種可能な種から成った野菜は
きゅうりはきゅうり
人参は人参
大根は大根
好まれる甘みがあり瑞々しい野菜では無いのですが、野菜そのものの味を強く感じて美味しいです。
お世話になっている農家の方におすそ分けすると、昔の野菜の味がすると喜ばれます。


自家採種というのは本当に大変な事です。
趣味でやっているならまだしも、農家として自家採種をやる事は経済的にも仕事量からも負担が大きすぎて難しいでしょう。
ただ、昔から受け継いできた日本の野菜の種がどんどん絶えています。
食料自給率が低いのと同じで、種の自給率も相当に低いです。


種を残すには、消費者の意識が問われます。


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