外科受診
 血液検査
 診察
 化学療法 パクリタキセル 10/12回


診療費 20,460円



投薬
 牛車腎気丸エキス顆粒
 葛根湯エキス顆粒
 五苓散エキス顆粒
 メチコバール錠
 セダガストン顆粒
 セレコックス錠
 セルベックスカプセル
 プロマック顆粒
 デカドロン錠
 ラプランゾールOD錠


金額 2,080円



10/12 1日目
副作用自覚症状
 不眠



祖母 入院6日目 集中治療室



【命のノートより】
私、10回目の抗がん剤。あと2回になった。

時間の経つのは本当に早い。今日もらった新たなデカドロンのおかげで爪や手の痛みが随分と楽になった。しかしこの手は元に戻るんだろうか?
爪はたぶん、今からどんどんと変形してはがれてくるだろうとの事。さすがは抗がん剤。さすがに体に悪いね。「大丈夫。処置はしますから」と言われても。
足はもっともっと不自由になるらしい。立ち上がった時が一番危険で転びやすいとの事。
指先の関節痛も副作用→ロキソニンをのんで対応らしい。若い人が多く訴えるそうだ。

でも、まあしかたない。引き替えるのは命なのだ。

先生に祖母の事を話し、治療が1回飛んでしまうかもしれない旨を話す。
「4週に3回以上が基本だから大丈夫ですよ」との答え。
診察の後、看護師のMさんが待合室までついて来てくださり
「何となく、顔に元気がなかったから心配だったんよ。こっちは大丈夫。心配はいらないからね。電話をしてくれればいいからね」と笑顔で言ってくださる。
どれ程安心したかわからない。
病気の時程、人の優しさが染みこむ。


抗がん剤の後集中治療室へ行く。おばさんが来ていた。
祖母は少ししんどいと言う。
「口をすすぐ」という祖母をおばさんにまかせるものの、「水のみの」使い方を知らない。


おばさんが「お母さん、narumiに感謝しんさいよ」と何度も何度も繰り返している。祖母は目をつむったまま、しんどそうにうんうんと頷いている。

「おばちゃん!やめて!」大声で叫んでしまった。
祖母は重篤な状態には間違いないのだ。そして、私に感謝するべきは祖母じゃなくて「おまえだろ!」ってところだ。

寝ている祖母を見ると涙が出る。
目が覚めた時に、私がいるとどんな顔をするかなぁ? と思う。
目を覚まし、「水で口をすすいでくれ」と言う。
口をすすいで、お昼の面会時間終了。


夕方は、姉と2人。最初「しんどい」と言っていたが、口をすすいだり、目を拭いたりして元気になり、眼鏡をかけて歌本を見ながら、童謡ばかり5~6曲歌った。大声でナースステーションの看護師さんが振り向く程の声。そして突然電池が切れて眠る。
ほんのわずかな時間。でも、祖母が楽しんだり安心したり。嬉しくて涙が出た。


夜7時から祖母の主治医からお話。経過と今後。
経過は良くない。
家族の同意があれば胃カメラを入れる事を考えているとの事。
胃カメラの最中に亡くなるという事も十分に考えられるとの事。
もう一つ。胃カメラをせず、食べたい物を食べさせるという選択。
話の途中、私はこれを選んでしまった。今もものすごい頑張っている祖母にもうこれ以上、頑張らせるのが辛くなった。
父が、「連れて帰っても何も食べられん。ここにおるから元気そうになっているんだ」と言った。
そうだったなぁ。23日はもう苦しかったんだと思い出した。

結局今のままでもそんなに長く生きられない。じわじわと死に向かう。選択は一つしかない。胃カメラを入れてもらう。
明日、1時30分より祖母の命をかけた胃カメラ。


夜、おじさんから「明日見舞いに行く」と電話があり、父は即OK。「もしも…があるからの」

あと、祖母が会っていないのはおじさんだけ。
おじさんは「30日に帰る」と言う。


姉が祖母は元気だから大丈夫という。
毎日、もっともっと体の弱った人に胃カメラをしていると言う。
私の「暴れよう」が異常なだけで、普通の人はそんなに苦しまないと言う。特に歳をとる程、楽に飲めると言う。
ただの検査。絶対に大丈夫と言う。



【日記より】
Yちゃんの上司の方から嬉しい希望のコメントを頂く。
抗がん剤10回目が終わった。早かった。あと2回無事に終わりますように。祖母の話をした時の看護師Mさんの対応や笑顔に本当に救われた。