祭りのあとで | ぱいれーつかあさん☆彡羅針盤はマヤ暦!

祭りのあとで

前回の記事 「うんざり」  では たくさんの方の温かい?コメント感謝です。

 

実は実は まだまだ出てくる うんざり事件。

ネタはつきません。

 

今回は かなり長編ドラマ?です。

 

 

 

 

 

 

 


ない!ない! 

ない!ない!ない!ない!


 

 

 

 

 

私は部屋中を必死になって探していた。

 


今年、たいこデビューした息子のはっぴ 

いや帯を必死に探していた。

 

 

 

 

 

 

 

2日間の祭りの最終日の朝。

汗がしみこんだ祭りセットを洗濯しようとしたが 帯が見あたらないのだ。

 

 

 

 

あなた 帯 どこへやったの!?? 

 

 

「夕べ祭りが遅い時間に終わって・・・

 トイレに行きたくなって・・・

 自転車飛ばして・・・

 トイレに入って・・・

 う・・・・・ わからない・・・・」

 

 


ただクビをかしげる息子。

 

 

 

 

全くの 『ひとごと』 

「オレは 知らない」 の一点張り。

 

慌てて探し出す様子など微塵もない。

 

 

 

 

意識の温度差があまりに違う。

まずい事態だ!とかけらも感じていないふうのその態度に

 

 

「あんたわかってるの!??

帯は自治会からお借りしている大切なものなんだよ!

自分のものだったら 

ハイなくしましたで済むかもしれない。

でもねっ! あれはこの町内みんなのものなんだよ!」

 

 

と まずはひと吠え。

 

 

 

家中を探す 探す 探す

夫も加わり3人で 探す 探す 探す

 

 

どこを探してもでてきやしない。

 

 


ないものはないんだ・・・

と 半ば開き直った風の息子の態度に ずっと冷静だったこの人が

 

 


「俺は だらしがない奴は

 大嫌いなんだよ!!」

 

と大噴火メラメラメラメラメラメラ

 

 

 

 


「だらしがない ズボラな奴はな!

最後まで 自分の動作をみてないんだ!!

扉ひとつしめるのだってそう!

コップをひとつテーブルにおくのだってそう!

 

おまえ よく扉あけっぱなしだよな!

それは最後まで自分の動きを目で確認してないからなんだ

 

おまえ よくこぼすだろ! それはな!

最後まで自分の動きをみないで他に気持ちがうつってるから 

コップひとつ まともにテーブルにおけないんだ!!」

 

 

 


「モノをすぐになくすのもそう!

モノを大事に思い 最後 どこにおいたかしっかり

意識をもてば そんなホイホイなくなりゃぁしないんだよ!!

 

俺はな モノを大事にしない

ズボラなだらしがない人間が大嫌いなんだよ!」

 

 

 

 

 

 

イタタタタッ・・・

 

5メートル先で 痛みを覚える自分。

 


ざっぱーやりっぱーだしっぱー

人生の3分の1は 探し物時間の女

 

と夫に命名された自分。

 

 

 

 

つい先日も 同じようなセリフを柔らかに?言われた自分。

 

やっぱり あなたは私のことが大嫌いだったのねDASH!

 

 

でも そんなだらしのない どうしようもない私を100も承知で

扉をたたき続けたのは 間違いなく あなたなのよ!!

 

 

 

 


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

だらしがない家族に囲まれ 日々生きる男の怒りの炎はとまらない!

 

 

 

 


 

「今すぐ祭り会場までの帰り道 

どこかに落としてないか探してこい!!」

 

 

 

 

 

 

一人でいかせなきゃダメだ!!

 

 

私の同行を制止し 息子を外に出した夫。

 

 

 

 

 

 

10分 15分が過ぎたろうか・・・

 

 

35度近い炎天下の中

がっくりうなだれで戻ってきた息子。


「あっちもみて こっちもみてあそこもさがして 

ここもみてみたけどなかった・・・」


と半べそ。

 

 

 

 

「私いってくるよ。 一緒にもう1回探してくる。

でみつからなかったら

自治会の人に頭さげてくるよ。」

 

と夫に告げ 息子と二人外に・・・

 

 

 

 

「歩いて ここも探した あそこも・・・」と

ぴーは自分の軌跡を逐一報告。

 

 

大切な自治会の帯 みんなの帯を

夏の太陽が照りつける中 必死に探した息子の姿が浮かんでくる・・・

 

 

 


祭り会場に到着

 

帯はこの中なのか・・・・

 

 

 

 

 

 

 

昼下がり 最終日の準備をしているおじさん達が忙しそうに仕事をしている。

 

会場準備をしている人たちだったら 忘れ物 落とし物がないかどうかわかるだろう。

 

 



 

「すみませ~ん」

 

 

私は入り口付近にいた おじさんに声をかけた。

 

 

 

 

 

 


「自治会の大切な帯を

この子がなくしてしまったんです。

あちこち探したんですけど どうしても出てこなくて・・・

こちらに落ちてないかと来たんですが・・・・」

 

 

と伝えると・・・

 

 

 

 

 

「いいんだよ いいんだよ あんなもの・・・帯だろ?

 

 

他にいくらでもあるんだから 

一本 二本なくしたって 全然問題ない!!

大丈夫 大丈夫! 気にするなって。」

 

 

 

 

 

「えっ??

大丈夫じゃ困るんですよ~

夫と二人 帯をなくしてしまったこの子を

散々しかってきたので・・・

そんな簡単に解決しちゃうと 

この子の手前 示しがつかないんです」

 

 

 

 

 

ほっと安堵する気持ちと かなり拍子抜けした思いと 複雑な胸中。

 

 

 

 

 

 

 

 

とすかさず 状況を察知したおじさんは


 

「いいんだよ~ ぼく 

 おうちの人にきちんと叱られてきたんだろ!?

 それでじゅうぶん。


 ぼく たいこ 頑張ってるんだよな。

 そういうことは 誰にだってあるもの・・・

 帯のことで せっかくの夏の思い出が台無しになっちゃかわいそうだ。 

 帯のことは もう気にしないでいい。今日もしっかり頑張れよ!」 

 

 


「おかあさんも もう気にしなくていい・・・

帯のことは担当のAさんにぼくの方から話しておく。

祭りの時 この子が困らないよう伝えておくから

大丈夫だよ・・・」

 

 

 

と温かい言葉を添えてくれたおじさん。

 

 

 

 


「ありがとうございます。本当にすみませんでした」

 


おじさんの優しさにふれ

ただただ平謝りの私達。

 

 

 

 

 

 

おじさんから担当のAさんに伝えてくれるとはきいたものの 

やはり直接謝罪したかった。

 

 

 

 

 

 

息子と頭をさげたかったので さらに奥に自転車を飛ばす。

 

 

 

 

そこは息子の友人の家。

 

 

 

 

チャイムを押すとおばあちゃんが出てきてくれた。

 

事情を話すと


「いいのよ いいのよ

そんなんで 叱られちゃって かわいそうに・・・

ちゃんと あなたの分用意しておくから心配しないでね。」

 

 

とこれまた胸をつく一言。

 

 

 

 

 

 

お互い顔をみるのがなんだか恥ずかしかった。

 

 

 

 

私と同様

息子の目から たくさんの涙があふれていた。

 

 

 

 

 

「たいこがんばろうね・・・

おとうさんに自分でしっかり今の人たちのこと伝えるんだよ・・・」

 

 

 

 

二人で自転車を飛ばし家路へ・・・

 

 

 

 

うだるような夏

さわやかな風が すっと心を通り過ぎていった

 

 

 

 

 

 

子育て

いろいろな方に育てていただいていることを 強く実感した祭りの一日だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

最後まで読んで下さり感謝ですニコニコラブラブ

 

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ぱいれーつかあさん 今日もざっぱーでいこう

 

 

 

覚悟を決めて 一緒になった!??

  2010年 心にしみる部門 第3位


  ぱいれーつ夫婦のあらまし