オーシャンズ13(6点) | 日米映画批評 from Hollywood

オーシャンズ13(6点)

採点:★★★★★★☆☆☆☆
2007年6月10日(映画館)
主演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン
アル・パチーノ
監督:スティーブン・ソダーバーグ


 前作「オーシャンズ12 」、前々作「オーシャンズ11 」の続編として、前作の豪華キャストはそのままに、再度このシーリーズが復活した。しかも今回はアル・パチーノが敵役という設定のため、見てきました。


【一口コメント】
 シリーズ最高傑作ではあるが、それでも6点止まりの作品なので、過度の期待はせずに単純に楽しんでください!


【ストーリー】
 今回の舞台は再び、ラスベガス。オーシャン一味のルーベンが共同経営者となるはずだった新しいホテル「BANKS HOTEL」のオーナーウィリー・バンクに騙され、ショックで養生の身になってしまう。その敵討ちとばかりに、「BANKS HOTEL」のグランド・オープニングの日を史上最悪のオープニングにするためにオーシャン一味がいろいろと奮闘する。
 例えば、ディーラーに細工をするのではなく、ディーラーが扱う小道具(サイコロだったり、ルーレットのボールだったり)に細工をして、お客がすべて勝ってしまうようにしたり、故意に地震を起こしてしまったり・・・。
 しかし、BANKS HOTELも史上最高の監視システムを導入しており、オーシャン一味は前々作の敵役であるベラッジオのオーナーに助けを求める―――。


【感想】

 さて、まずはストーリーだが、正直パート2よりも面白い。いや、ジュリア・ロバーツが抜け、さらにパート1のように1人1人の紹介をする手間が省け、最終目的であるバンクを出し抜くための作戦だけに集中してストーリーが進んでいる分、パート1よりも面白いと言える。
 細かいストーリー描写を書いてしまうと面白さが半減してしまうので、書かないが、1つ1つの仕掛けが非常に細かく描写されていて、すごく面白い。しかもこのシリーズの売りとも言うべき、軽いタッチは忘れておらず、見ていて楽しいことは間違いない。

 そして敵役のアル・パチーノ。やはり彼は悪役をやらせたら、上手い!しかも今回は前半は非常に悪いやつなのだが、途中からはオーシャンにやられっぱなしの格好悪い男でもあり、その両方を上手く演じている。

 そして彼の経営するホテル。実際に存在しているパリス、プラネットハリウッド(旧アラジン)、の隣におそらくCGで作られたらせん状にとぐろを巻くような形のホテルである。名古屋駅前に建設中のモード学園 スパイラルタワー を思わせるその建物はCGで作られた外観だけでなく、セットで作られたと思われる内装も素晴らしい。作品の中で現実にはありえないものを楽しめるという映画ならではの楽しみを味わえるという点においても、パート1やパート2以上のできばえだと言える。

 そしてコメディー。このシリーズの特徴であるシュールな笑いという意味では、前2作と同等のレベルといったところか?

 総合すると、個人的にはシリーズ最高傑作と言いたい作品だが、シリーズ最高傑作ではあっても、前2作が前2作なだけに、過度の期待はせずに、単純にコメディー映画を楽しむつもりで見てもらえれば、見終わった後に物足りなさの残った前2作とは異なり、見終わった後にある程度の満足感は得られるはずだ。