シックス・センス(8点) | 日米映画批評 from Hollywood

シックス・センス(8点)

採点:★★★★★★★★☆☆
1999年11月1日(映画館)
主演:ハーレイ・ジョエル・オスメント、ブルース・ウィリス
監督:M・ナイト・シャマラン


【一口コメント】

 とにかく脚本のアイデアが素晴らしく、最後の最後にすべての謎が解けるあの快感はすごい!


【感想】

この映画のストーリーには"ある秘密"があります。
映画をご覧になった皆様は、
その秘密をまだご覧になっていない方には
決してお話にならないようお願いします。


 映画の本編が始まる前に監督とブルース・ウィリスからの、こんなメッセージが表示された。しかし、この映画の予告編やTVのCMなどでこの映画の秘密は誰もが知っている。タイトルの通り、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の5感に加えて第6感を持ち、死者が見えるという秘密を主人公の少年が持っていることは誰もが承知の上でこの映画を見に来ているというのに、なんておおげさなメッセージを書くんだろうと、思いつつ映画を見始めた。しかし最後には「秘密厳守」しようと思いながら、映画館を出ていた。そこで、まだこの映画を見ていない人は、この先の文章は読まないで下さい。結論がわかってしまうので・・・。

 本編が始まると小児精神科医のマルコムは担当していた少年ビンセントを救えていなかった。苦しんだまま、成長したビンセントが起こした事件(マルコムと彼の妻の目の前で自殺する)でそのことを知ったマルコムは死んだ人が見えるという少年コールを救おうとする。
 その過程を描きながら、ところどころ、ん?というような場面がいくつかあった。マルコムの妻がマルコムに対して、事件依頼、急によそよそしい態度を取るようになり、2人の関係がギクシャクし始めた。コールの症状はビンセントに似ていたが、それがなんなのかを聞き出すのにかなりの苦労をして、突き止めたのが、「死者が見える」ということ。

 この後、長いことコールの死者が見えることに対する恐怖心を描いた場面が続く。そしてようやく、その症状が治まりかけた頃に、マルコムは大きな秘密に気付く。それが最初に書いた"秘密"。
 それはビンセントの事件の際に実は自分も死んでいた、ということ。それで妻は話し掛けても聞こえない。マルコムは死んでいて、妻は生きているのだから、当然の話。しかし、コールとは話ができるため、「自分は生きている」と思っていたマルコムだが、コールは死者が見える、だから死んだはずの自分と話をしていたのだ、ということに気付く。

 これは途中の段階で、この秘密に気付いてしまうと恐ろしくつまらない映画になってしまうだろうが、それを隠せ通せたのだから、素晴らしい作品だと言える。もちろん気付いた人もいるだろうが、雑誌やテレビなどで聞いている限り、大半の人は素直にこの秘密に驚いたらしい。そして自分もその大半のうちの1人です。