ナショナル・トレジャー(4点) | 日米映画批評 from Hollywood

ナショナル・トレジャー(4点)

採点:★★★★☆☆☆☆☆☆
2004年11月26日(映画館)
主演:ニコラス・ケイジ
監督:ジョン・タートルトーブ
製作:ジェリー・ブラッカイマー


 最初、劇場で予告編を見たときは「インディー・ジョーンズ 」を連想させる編集になっていて、その主役にニコラス・ケイジは似合わないなぁと思っていたのだが、全米初登場一位ということで、見に行った作品。


【一口コメント】

 前半1時間が一番面白く、後半にかけてトーン・ダウンしていく映画です。


【ストーリー】

 トレジャー・ハンター、ベン・ゲイツ。家族何代にもわたってある秘宝を追い続けてきたが、彼はついに、アメリカ合衆国独立宣言にその謎を解く鍵があるという事実をつかむ。独立宣言をめぐって、ベンと彼を裏切った仲間、そしてFBIの三者による争奪戦が繰り広げられる―――。


【感想】

 予告編はインディー・ジョーンズ  だったが、いざ始まってみるとインディー・ジョーンズ とは違い、現代的な風景の中で物語りは進展していく。雪原における爆破や独立宣言をめぐるワシントンD.C.でのカー・チェイスなどがその例といえる。中でも独立宣言を盗む、盗まないという設定とそれを盗むまでの描写が非常に面白い。独立宣言といえば、アメリカ合衆国の歴史上、間違いなく最重要文章であり、ある意味これ自体がナショナル・トレジャー(国宝)と呼べる代物である。それを盗むためにベン、元仲間、FBIの頭脳戦は見応えがある。とはいうのものの、お金の持ち合わせがないからといってクレジット・カードで支払いをして、自宅を突き止められたり、最初はその希少価値に扱いに気を配っていた(手袋をしたり・・・)はずの独立宣言文書が、途中からは素手で軽々しく扱われたり、ちょっと設定としておかしいなと思う点が多々あった。
 おかしいといえば、元仲間がFBIに逮捕される場面もあまりにもお粗末だった。というのは、独立宣言を盗もうとしたときは、マンホールから進入して、通気孔を通って、建物内に進入していたのに、逮捕されるときは建物の正面から普通に侵入しようとしていたところをFBIに捕まえられるというありえない設定になっていたため。最初は慎重を期していたはずの人物が最後は正面強行突破か?と思わずにはいられなかった。

 全体としては、独立宣言をめぐる攻防が一番面白く、最後の見せ場ともいうべき、秘宝発見のストーリーはそれこそ、「インディー・ジョーンズ
」や昨年のジェリー・ブラッカイマー作品である「パイレーツ・オブ・カリビアン 」などで何度も見てきたような設定で何の新鮮味もないまま、正直退屈のうちに終わってしまった。
 というわけで、前半1時間が勝負です。