≪書評 この一冊!》原発ホワイトアウト 若杉冽著 | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

≪書評 この一冊!》原発ホワイトアウト 若杉冽著

現役官僚の「告発ノベル」として話題の本著、確かに半分以上、ノンフィクションだと感じます。一方で、この本を読んで「だから原発は即廃止しかないのだ!」とだけ論ずるのはもったいないように思います。
私が感じたメッセージは、1)いくら安全対策を講じても、人為的な自爆テロ的方策に対して原発の潜在的リスクはゼロにならない ということと、2)国家権力は必ずしも中立公正であるわけではなく、何らかの恣意性が排除できない、ということ、そして 3)政治家は余程勉強し信念を持たなければ、官僚やその道のプロからすれば赤子の手をひねるように御しやすい存在である、ということでしょうか。
半分以上ノンフィクションではないかと思う、と書きましたが、おまけに本当に新○県の原発がメルトダウンしてもらっては困りますからそこあたりはフィクションとして捉えるとしても、政治や行政と普段触れることのない皆さんには、是非ともご一読いただきたいと思います。そして、一面ではありますけども、政治のリアリティを実感してもらえると思います。

しかしまあ、よく、この小説を書く時間をねん出できたものですわ。その点に感心してしまいます。そこ、見習うこととしましょう。

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