選挙制度改革座長私案について | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

選挙制度改革座長私案について

昨日、衆議院選挙制度改革につき、樽床伸二幹事長代行が、各党協議会に座長私案として各党に案を提示しました。主には、小選挙区制度は0増5減で一票の格差も是正したうえで295議席とし、比例は現行11ブロックを全国単一ブロックにしたうえで、比例定数を105(現行180)、うち70は現行通り並立制、35を連用制で配分する、というものです。

今朝の報道ぶりや各党の反応は、想定通りですが、散々なものです。ということもあり、私の意見を改めて示すことにしました。

私は、この樽床座長私案がこの世で最善の制度とは全く思っていませんが、今の複雑な連立方程式を解く上で、数少ない、実行可能な、合意可能な、そして現実的な案であると評価しています。比例80削減を強く訴える党内の同僚に対しても、この案が今の状況を解決できる可能性があるあんだよ、と説いて回り始めています。

本来、一票の格差の解決は先行して行うべきです。定数削減は、我が党の約束で国民の声ですが、一票の格差は憲法、法律に求められた事項です。党の約束も国民の声も大事は大事ですが、立法府にいる以上、決まりである憲法、法律、これを大切にしなくてはどうしようもありません。しかし、総理はじめ与党リーダーの意志は、定数削減もセットに解決せよということですから、難題になっていますがこれ以外になかなか考えにくい状況であることは確かです。

この座長私案に対し、理念がないとか、憲法違反の疑いがあるとか、連用制は制度自体に欠陥があるとか、有権者に分かりにくい、などといった批判があります。私は、これらの批判に対しては、全部、しっかりと反論できる用意があります。

理念については、そもそも、今の選挙制度は小選挙区の利点を生かした、「民意を集約して政権を安定させる」ことを志向するとともに、比例の鏡のように民意を反映する特性を生かし、中小政党の意見も汲み取る、一見相矛盾するようなものをミックスさせた制度です。そして、座長私案も、まったく同じ理念を踏襲しています。「民意を集約し、政権を安定させるとともに、中小政党の意見も一定程度反映できる制度」が今回の制度です。

憲法違反であるとか、わかりにくいとか、連用制度そのものの批判は、またの機会に改めますが、何事も完璧なことはありません。ただ、この座長私案は、決定的にひどい点がある制度でもありません。この期に及んでは、あとは政治のリーダーシップで決めることです。0増5減を先行させるにしても、幹事長書記長会談にゆだねることになるようですから、輿石幹事長のリーダーシップに期待するところです。