日本原子力発電 東海原発視察報告 廃炉作業とドライキャスクを見て | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

日本原子力発電 東海原発視察報告 廃炉作業とドライキャスクを見て

4月9日、馬淵澄夫代議士と共に茨城県東海村にある日本原子力発電東海原発に視察に行きました。

東海原発は98年に運転終了しており、現在は20年かけて廃炉の作業が進められています。その工程や遠隔操作作業の様子、そして廃棄物処理の見込みなどについて現場視察を致しました。

また、東海第二原発は現在、定期検査中ですが、ここには福島第一原発以外に、わが国で唯一の使用済燃料乾式貯蔵(キャスク)が存在するためにその視察、そして燃料プールについても状況をお聞きした上で視察をしてまいりました。

まず、第一原発の廃炉作業について。確かに大きな設備ですが、更地に戻すだけで20年かかるというのは相当な手間がかかることを意味します。廃炉には885億円が見積もられており、そのうち500億円をこれまでに積み立てたもので賄います。これだけの労力がかかるのは、何と言っても炉内が放射化してしまっており、人手では不可能な作業を無人で行わなくてはなりません。そして、全体で20万トンの廃棄物が出ますが、そのうち2万トンが放射性廃棄物として取り扱うもので、これも放射化された濃度に応じてレベルが分けられ、濃度の高い順に1,500トン、9,000トン、13,000トンが予定されています。これから、福島も含めて54基、その他の核関連施設もありますから、我が国の放射性廃棄物は相当膨大だとイメージできますが、これらの処理を国としてどう考えるか、しっかり地に足つけて検討が重ねられねばなりません。

続いて東海第二原発に行きました。燃料プールには定期点検中ということもあり、燃料棒がほぼ満杯。その一部(260トン)が、平成13年から乾式キャスク貯蔵施設に保管されています。専用の倉庫のような貯蔵室に入り、実際にキャスクに触れましたら、やはり、温かい! 湯たんぽのような温かさ、とでも表現したらよいのでしょか、とにかく、熱い!、というより温かい、という表現があてはまるものでした。自然空冷に依っていますから電源いらず、私の感覚では、炉内のプール保管よりよっぽど安全だと感じました。ちなみにドライキャスクは平成13年当時、一基2億円ほどで収納されているウラン重量は11トンン、それと合わせた総重量が120トンだそうです。

この施設は、今後、日本の原子力発電所が迎える廃炉、最終処理の先駆けであり、この蓄積をしかと活かすことが、国民生活の安心につながると実感しました。
そして、視察を終えて改めて強く思ったのが、我が国の原子力政策が、発電や立地の面から論ぜられることが強すぎるということ。発電を終えても、使用済み核燃料は十分、安全性に注意が必要なものであるし、その処理も含めて語られなくてはならないことを、引き続き広く訴え続け行動していきたいと思います。