韓国へ英語教育の視察に行ってきました | Making Our Democracy Work! 石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba

韓国へ英語教育の視察に行ってきました



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5日から6日、韓国・ソウルに行って参りました。主に英語の教育に関しての視察を行いました。大統領制をとる韓国は、政治的にはまさに「トップダウン」の国。英語教育に関しては、李明博大統領就任後に相当な力を入れて推進されているようです。


初日は、①教育科学技術部(日本の文部科学省にあたる)で英語教育政策全般に対するヒヤリング、②延世大学(日本の慶應にあたると言われている)で留学生政策や英語での授業取り組みを聞き実際に授業を見学、③④ソウルでは二つの小学校を訪ねて授業の様子や放課後学校の様子を視察し、⑤EBS(教育放送)を訪ねて国の予算を使って放映される英語カリキュラムの狙いをお伺いしました。二日目には⑥教育課程評価院(日本の大学入試センターの機能を担う)を訪ねて大学入試改革の状況をヒヤリングし、⑦国際交流基金(わが国の外務省外郭団体)ソウル事務所で日本をどう売り込んでいるか事業内容をお聞きし、⑧外国語高校と言われるエリート高校の授業や取り組みをお聞きし、最後に⑨公営の英語村へ出向き取り組みと今後の展開をお聞きしてきました。


相当強行軍でしたが、わが国も韓国の取り組みを教訓とできる点は多々あることを実感できました。主なポジティブポイントは次の通りです。


●韓国で拡がる放課後学校の取り組みは、日本でも大いに参考にすべきです。もちろん、日本の一部公立学校でも始まりつつあるが、韓国の放課後学校は、英語や算数だけでなく、バイオリンやサッカーなど、放課後の時間に学校施設を活用して、私営の塾などとは比較にならない安価で、教育を提供しています。放課後学校には、学校の先生は関与していません。成果としては、塾などに多額の学費を払うことなく、レベルやニーズに合わせたお稽古や勉強ができる、ということです。また、いわゆる学童保育も筋金入りです。夜9時まで預かってくれるそうです。子どもにとってどうか、という議論はもちろんありますけど、親が余計なコストを払わないでいいように、学校施設をフルに使う、そうした考えが染みついています。


●大学入試改革(高校や中学も含め)は、その推移を含めて検証の価値があります。韓国も日本と同じく、受験社会、学歴社会、そして英語の目的が実用でなくて受験のためになっている、という懸念があります。そこで受験改革を抜本的にしようとしており、●点という方式でなく、ABCFの四段階によってのみ表記する、あとは論文と面接で選抜する、という風に変えるそうです。スピーキングもテストに含めるそうで、テスト自体は専門の施設に行ってそれぞれ受験させるとのことで、お金のかかり方も半端でないですがこうしたことまでやってしまう隣国は、勢いは相当です。


●EBSで半公共のテレビ局が英語番組を流すことについて、日本のNHKもやってはいるのですが、こちらの方がバリエーションにせよ量にせよ、国が特別に80億ウォン(78億円くらい)の予算を出しているだけあり、力が入っているようでした。日本も、夕方にくだらん昔のドラマをすり切れるまで流したり、バラエティを流すのならば、民放が率先して公共の電波を社会教育に使えばよいのでは、と思ってみたりするものです。


この他にも、視察先の雑感はいくつかありますが、とりあえず、第一段階はこの程度に。各種資料、私の事務所にありますので、ご興味ある方はご連絡ください。


めざす未来へ、情熱政治。衆議院議員・石井登志郎オフィシャルブログ Powered by Ameba


小学校にあった、生徒会長選挙の手作りポスター。こうした文化は、共有しているらしいいです。