国家百年の大計を誤ってはいけない | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

国家百年の大計を誤ってはいけない

 1月23日の日経新聞は、「底流」という欄でとんでもないことを言っています。産業競争力会議や規制改革会議が求めるJA改革のことです。


 要約すると、JAグループの幹部が農水省を訪れ、「いったい何をすれば許してもらえるのですか」と相談を持ちかけ、農水省幹部が「まず自分から改革案を示したほうがいいのでは」と苦笑しながら答えた、という記事です。類推するに、当該幹部がそうしたことを記者に話したのでしょう。私も経験がありますが、数々の課題で官僚に対して、こうした言い方をしてきたことがあったと思います。へつらっているということでなくて、親しい仲間に対する挨拶のようなものでした。しかし、環境は大きく変わっているということなのでしょう。


 このことは、いくつかのことを示しています。


 一つは、役所は、これまで農業政策の推進にあたって連携を保ってきたJAのことを、一蓮托生の立場では考えてはいないということなのでしょう。


 二つは、JA改革についての各会議を運営する内閣と官邸の意向が、極めて強いということです。農業改革が進んでいないとか、TPPに抵抗しているとか、理由はいくつもあります。


 三つは、今国会で公務員改革法が成立する予定ですが、強い内閣の下、各省の幹部職員の人事を官邸が一括して査定・調整することになり、役人は官邸の意向を無視しては出世もおぼつかなくなるということが懸念されるのです。このことは、内閣の意思がきちんと伝わるという意味では必要なことなのですが、しかし、一面では、時の官邸の意向に汲々とする官僚制度というのでは、国家百年の大計を失わないのかという心配があります。


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