自由化率による交渉の危険性を指摘 | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

自由化率による交渉の危険性を指摘

 私は、六つのことを狙いにしました。


 一つは、「自由化率」での交渉を前提にするから、95%を達成するためには、5品目等の細目であるタリフラインの検証と、そのタリフラインの関税撤廃が論議になるのであって、直ちに、自由化率による交渉は止めるべきであること。米国の農業団体も、個々の品目の扱いについて関心があるものの、自由化率を問題にしていない。だから検証が先行するのでなくて、交渉を積み重ねることがまず先であること。


 二つは、わが国の全産業のうち、食品製造業は出荷額で自動車、化学についで第3位、雇用で第1位と大きな地位を占めているが、現時点で輸入量が少ないということでタリフラインである調製品や加工品の関税が撤廃された場合、様々な形でこれら調製品や加工品の輸入が拡大し、国内原料を中心に輸入原料も加えて製品化していた国内の食品製造業が廃業に追い込まれてしまうこと。これでは、国内生産原料の多くが行き場を失い、雇用も維持できなくなってしまう。そのため、調製品や加工品の関税撤廃は、慎重に慎重を重ねなければならないこと。


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