デトロイトでは、市財政の破綻と街の荒廃を目の当りに | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

デトロイトでは、市財政の破綻と街の荒廃を目の当りに

 デトロイトでは、今年7月に、連邦破産裁判所に連邦破産法の適用を申請したデトロイト市の議長と市議会メンバーと意見交換しました。デトロイト市は、かつては米国自動車ビックスリーのおひざ元で活況を呈していましたが、自動車産業の低迷で、1960年代には200万人いた市民が今は70万人に減っており、そのうちの85%は黒人です。現在は少しずつ景気も回復していますが、白人や富裕者は郊外の他の市に住み、GMの本社がある中心市街地を取り囲むようにドーナツ状に地域が荒れています。廃屋と、一晩に10数件の放火、警察は連絡しても1時間では来ないという荒れた危険な街になっているといいます。自動車産業で繁栄していたときに、市の職員の採用と待遇改善のため、民間レベルの年金と医療保険を採用し、市のその負担が財政破綻の一番の原因だといいます。


破産申請が認められれば、職員の給与のカットや、年金の切り下げや、ごみ収集の広域統合等を行う手段が認められることになりますが、連邦政府や州からの救済はないのだといいます。議長は女性の黒人議長さんで、日本のこうした場合の例を教えてほしいと真剣でした。


 デトロイト周辺には日本人学校があり、生徒数も全部で800人で、全米1だといいます。日本人は郊外の高級住宅に住んでおり、デトロイト市内には日本の会社はなく、働いている人もダウンタウンにはいないそうです。


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