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(画像)『もし中学受験で心が折れそうになったら』(おおたとしまさ著、KADOKAWA刊)より、主人公の塾講師が生徒たちに宛てた手紙。
 
 
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中学受験にはネガティブなイメージがつきまといます。中学受験をさせられている子どもは学歴社会の被害者と思われてしまうことすらあるようです。
しかし、中学受験という機会自体が子どもを傷つけることはないと、私は思います。子どもが傷つくことがあるとすれば、親子関係が原因であることがほとんどだと思います。
受験勉強をしている子どものことを、親がかわいそうだと思ってしまったら、子どもは「自分はかわいそうなんだ」と思ってしまいます。限度を超えて勉強を強要すれば、勉強に対するアレルギー反応がでてしまうこともあるでしょう。あまりに期待をかけすぎれば、プレッシャーに押しつぶされてしまうかもしれません。

たしかに、きれい事だけで中学受験はできません。ときには親子の衝突も起こるでしょう。「やるべきことはやらねばならぬ」という厳しさを与えなければならないこともあるでしょう。
しかし、絶対に忘れてほしくないことは、中学受験に挑む子どもたちは、昨日より今日、今日より明日、確実に成長しているということです。テストの点数は上下するかもしれませんが、子どもは一日一歩ずつでも確実に成長しています。それが2〜3年も積み重なれば、大きな成長になります。

数々の取材経験から、「中学受験は親子にとっていい経験になった」と振り返る親には共通点があるということに気付きました。
そういう親は、テストの点数や偏差値や、最終的な合否より、子どもの成長そのものに目を向けているということです。
きっと最初からそこに目が向けられていたわけではないと思います。しかし、五里霧中の中学受験を経験する中で、ある時点から、子どもの成長に目が向けられるようになるのでしょう。悩み苦しんだその先に、まさに、霧が晴れる瞬間があるのでしょう。

毎日見続けていると、その成長にはなかなか気付けませんが、ときどき、1年前、2年前を思い出してみてください。少々成績はふがいなくても、「3年生まではまったく勉強しなかった子が、毎日勉強するようにはなった」とか「15分しかもたなかった集中力が1時間続くようになった」とか、それなりに成長していることに気付くことができると思います。そうすれば、わが子のがんばりに、誇りを感じられるのではないでしょうか。
親が自分の成長を認めてくれることは、子どもにとって、いちばんの励みになるでしょう。

自ら中学受験という機会をつくり、中学受験によって自らを変えようとしている中学受験生とそのご家族に、心から「必笑」のエールを送ります。

※『もし中学受験で心が折れそうになったら』(おおたとしまさ著、KADOKAWA刊)より「おわりに」を抜粋。ちなみに「必笑」という言葉は、私が中学受験の時、塾の先生が教えてくれた言葉です。いまでも胸に刻んでいます。