かつてよくテレビなどに映し出された有名な保育園で、園児たちが卒業までに2000冊を読破するなどと言っていました。「すごいな~」と思っちゃいますよね。そんなの見ちゃうと「うちの子いっつも同じ絵本ばかり読んで・・・。もっとたくさんいろんな本を読みなさいよ」なんて思っちゃうパパやママもいるかもしれませんね。

でも、待ってください。子どもって、同じ絵本を10回も20回も読み返しますよね。全く同じ内容なのに、毎回同じところで笑ったり、ときには違うところで笑ったり。同じ絵本でも、読んだ人によってそれぞれ感想が違うように、ひとつの物語を何度も何度も読み返して、そのたびにいろんな発見をして、そのたびにいろんな感じ方を覚えて。そうやって子どもの感受性は磨かれていくように思います。それが正しい絵本の読み方、乳幼児期の読書のあり方なのではないかと思います。ビジネスマンが必要な情報を大量に読みあさるのとは目的が違うのですから。それなのに、3年間で2000冊も読んでいるようでは、同じ本を10回、20回と読み返す時間なんてありませんよね。なんだかとってももったいないような気がします。

お子さんが同じ絵本を何度も読んでいるとき、お子さんの中に新しい感受性が芽生えているんだと思って、焦らず見守ってあげてほしいと思います。