本当はさっきの記事の続きを書きたかったのですが


本当に具合が悪く成って来たので・・・・中途半端で何なんで


昔書いた記事をUPします



良かったら読んでみて。。。テヘぺロ




『ホテル』


今から15年前ぐらいだっただろうか。


長野の安曇野へ彼女と旅行に行った折り、適当なホテルを駅の観光案内所に紹介して貰い!


そこからバスで直ぐのなんとかってホテルにチェックインした。


二人とも深夜まで飲んでから、朝早くに横浜を出て着たので疲れて居たのだが、思いのほか小奇麗なホテルと綺麗な景色に興奮してはしゃいでいた。


ホテルは片仮名のコを描く様な形に成って居て。


中庭を囲む様な形状に成って居た。


ベランダに出ると向こう側のベランダが見える、勿論かなり遠くなのでベランダに人が出て居ればギリギリ顔の表情が分かるかな?って位の距離。


一通り部屋でハシャイデから、ベランダに出て景色を楽しみながらビールのプルタブを開けて、常設されているプラスティックの椅子に腰かけて居た。


見るとも無く見て居ると、僕等の階の一段下の向こう側のベランダに同じ様に人が出て居た。


弱冠肌寒かったので、その人と僕ぐらいしかベランダには居なかったと思う。


段々日没とともに冷え込んで来たので僕は部屋に戻ろうとした。


その時まだベランダで薄着でボーっとしている彼女を見て『寒くないのかな~』って思ったのを覚えて居る。


その日は飛騨牛やら山菜、手打ち蕎麦等!思いのほか美味しい料理に酒も進み、シコタマ飲んでいつ寝たのかも分からない内に眠りについて居た。


翌朝かなりの二日酔いだったが朝食に呼ばれ、彼女に怒られながらも大遅刻で片付けしている横で食事をした。


御櫃に入ったご飯てなんであんなに美味しいんだろう!


二日酔いだってのに何度もお代わりして!片付けの邪魔だから早くしろと彼女に怒られた。


二日酔いで気持ち悪いのと、お腹一杯で苦しいので身動きが取れず・・・・。


部屋でダラダラして居たのだが、何やら機嫌の悪い彼女の愚痴がうるさく成って来たので、コーラを片手にベランダに出て外の空気を吸って居た。


『あっ・・・又居る・・・。』


昨日も居た彼女が又ベランダに出て居た。


こんな時間に居るって事はチェックアウトしないんだな・・・・・なんて何気なく考えて居た。


『チョット!聞いてるの??もうさっきからダラダラして!折角来たんだから何処か行こうよ!ガラス工房がお勧めだって言ってたよ!』


『うん分かったよ!ちょっと待ってて、今さっきのご飯消化中だからwどうせ○○子は行くって言ってから支度に時間が掛るんだから!用意していつでも行ける様にしとけよ!俺は五分で出れるんだからw』


『うん!分かった!したく出来たらすぐに行こうね』


『あぁ~・・分かったから支度しろよ。』


外に目をやると彼女はもうベランダには居なかった。


僕等はバスにのりホテルで紹介されたガラス工房を見に行った。


色々な工芸品が置いて有り又売って居た。


中央ではガラス張りの工房の中で職人達が手品師の様に無機質なガラスに息吹を吹き込んで居た。


僕等はワクワクとした気持でそのガラスの世界を満喫し、お陰で買わなくても良いガラスの置物やらグラスやらをシコタマ買わされる事と成った。


そこからワサビ園に行き、ワサビソフトクリームを食べ!山菜蕎麦をお腹一杯食べて暗く成る前にホテルに戻った。


フロントで鍵を貰う時にロビーの端にベランダの彼女が目に入った。


『あっ・・・・。』


『どうしたの?知ってる人でも居た?』


『嫌・・・そう言うんじゃ無いんだけど・・・・』


彼女と一瞬目が合った様な気もしたんだが・・・気付くと彼女は居なくなっていた。


自分の彼女からは綺麗なお姉さんに見とれてたんだろう等と痛くも無い腹を探られてたので、『違うよ、このホテルに泊ってる人だと思うんだけど、いつも俺がベランダに出ると向かい側のデランダで日向ぼっこしてる人なんだけど・・・なんか良く見るから気に成ったんだよ』


行き成りお腹にパンチを食らった!


『バカじゃないの!!全然違く無いじゃん!!やっぱり女に見とれてたんでしょ!!』


こう成ったら・・・何を言っても駄目なので・・・。


成るべく話題を変えて徐々に機嫌を取って行くしか無い・・・・。


夕食を終え、彼女がお風呂に行って居る間、僕はベランダでビールを飲んで温泉の熱気を湯冷めしない程度に取っていた。


あの彼女が又ベランダに出て居た。


今度は確実に目が合った。


僕は軽く会釈した。


しかし目に入って無かったのか・・・・彼女は気付かぬ様だった。


翌朝僕等は上高地に行く予定だったので、早起きして朝食の時間にはまだ早かったのでオニギリをホテルの人に貰い、ロビーを出発した。


入口の出た所に彼女が居た。


確実に僕を見て居たので僕はキチンと頭を下げ!『おはようございます!いつもベランダで日向ぼっこしてますね!長期滞在ですか?』


彼女は一瞬ビックリした顔をしたがコクンと頷き、俯きホテルへと戻って行った。


なんか感じ悪いな~っと思ったが、行き成り喋り掛けるってのも田舎じゃおかしいのかな?っと思い自分の彼女を待った。


キーを預けて居た彼女が戻って来てホテルから出ているバスで松本まで出て!新島々線に乗り、其処からバスで小一時間で上高地に到着した。


神様の場所だと思った。



朽木すら神々しく、目に入る物全てが輝き空がまぶしいほどに高く!蒼かった。


30分程歩いて目的の河童橋までたどり着き!


穂高、前穂高をバックに橋の上で彼女を立たせ記念写真を撮った。


彼女が『疲れた。』 『この筋肉バカの疲れ知らず。』等と毒つくのを無視して一時間近くかけて明神池まで行き戻って来た。


彼女は流石にグッタリしていたがやはり神秘の美しさは認めざる負えず!


来て良かったと連呼していた。


帰りのバスに乗る時にバスの先頭にベランダの彼女が座って居る事に気付いた。


少しビックリしたが、まあ一番の人気スポットなのでこう言う事も在るのだろうと思って居た。


彼女がウルサイので、僕は何も言わずに彼女に目が合っても会釈もせずに新島々で降り松本に戻った。


僕は疲れて居たので早くホテルに戻ってゆっくりしたかったのだが駅前のスピード写真現像で彼女がどうしても写真を現像してホテルで見たいと言って居たので!


其処にフィルムを預け、喫茶店で時間を潰していた。


僕等の前に在るガラス張りの向こうの通りをベランダの彼女が歩いて居た。


流石にビックリして目が見開いたのだろう。


彼女が『どうしたの?』っと聞いて来た。


『いや・・・昨日話したベランダで見る女性居るって言ってたじゃん!その子がさ今、目の前を通ったんだけど・・・色々な所で会うから・・・ちょっとビックリしてさ・・・。』


『何それ?ムカつく!なんでそうやって女ばっかり見てるの??』


『違うんだよそうじゃないよ!そんなに綺麗な感じっじゃないし・・・。』


『綺麗だったらどうなるのよ!!』


やっぱり言うべきでは無かった・・・と後悔しながら・・・写真を受け取りホテルに戻った・・・。


入口にあの女性が立って居た。


僕は軽く会釈をして自動ドアを通ろうとした時僕の彼女が言った。


『何やってるの?』


『何って・・・さっき言ってた女性が居たから会釈しただけだよ・・。』


『エェ?・・・・・女性って・・・??』


僕は振り向いてさっきの女性の方に目をうやり『ホラ!あそこに立ってる女の人居るだろ?』


『・・・・・・・・・・・・』


『今日はやたら会うんだよな・・・なんだろ?タマタマにしても気持ち悪いな…ハハッハ・・・。』


何故か彼女は青ざめた顔をしていた。


僕等はロビーに行き鍵を貰おうとした時、彼女がフロントのスタッフに行き成り聞いた!


『すいません私達が泊って居る向かいの部屋って全部使われてるんですか?』


チョットビックリした感じでスタッフが怪訝そうに答える。


『嫌・・・今はシーズンオフなのであちらの館は今は使用して下りません。』







エエェ??






一瞬頭が真っ白に成った。




『又また・・・・僕等の階より一階下の丁度僕等の部屋の真向かいの所に泊ってる女性の人居るじゃないですか?』


スタッフの顔が誰でも分かる位の勢いで変わった・・・。



『お客様・・・・それは・・・どう言った事でしょうか・・・・・何か?・・・・・誰かを・・・見られた・・・と言う事でしょうか?・・・』



『だからさ!その部屋に泊ってる人と良く会うから・・・・長期滞在とか言ってたし・・・。』


『お・・・・お話し・・・・されたのですか・・・??』


彼女が僕を凄い顔で見つめて居た。


『話したって訳じゃないけど・・・・聞いたら頷いてたから・・・。』


彼女がトツトツと話しだした。


『この人さっきも誰も居ないドアに向かって会釈してたり・・・今日の朝も誰も居ないのに外で独りで喋ってるのをロビーから見てたんで・・・・変だなっとは思ってたんです・・・。別に口外しないんで・・・・知ってる事が合ったら教えて貰えないですか・・・。』



『すいませんこちらでは何なんで・・・あちらの方来て貰っても宜しいでしょうか?』



『はい。』






何だ?なんだ?頭がグルグル回ってるぞ!二人で何を言ってるんだ??


なんの話しだよ??


チョット!マジ?で冗談だろ??


僕は神妙な顔をしている二人の後を付いて行って・・・部屋に通され・・・支配人と言う人が遣って来るまで簡単な事を聞いた。


其処の部屋は現在使われておらず、風を通しに掃除のおばさんが入る程度らしい・・。


その昔その部屋で自殺した人が居てそれからと言う物・・・・その女性とみられる女性を泊り客が度々目撃して・・・一時期変な噂が立った事。


御払いをしてからそう言う事は無く成ったのだが・・・。


タマに見てしまう人が居るらしく・・・その部屋は使われ無く成ってしまったとの事・・・。


僕は一言一言聞く度に・・・・血の気が引いて行き・・・・最後は気分が悪く成って居た。


支配人が来て、見た人は結構居ますが、話した事が在ると言う人は初めて聞いた!もし後で何か在ると怖いでしょうから本日は此処には泊らず他所のホテルを紹介するのでそちらに泊ってはどうかと打診された。


其処の料金はホテル側が出してくれると言うので彼女はその話しに飛びついた。


しかしこの話しは一切口外しないで下さいとキツクお願いされた。


話しも一段落して緊張をほぐそうとして支配人とスタッフは世間話をし出した。


『本当に怖い思いをさせてすいませんでした・・今日は何処に行かれたんですか?信州は良い所が沢山有りますから嫌な事は忘れて楽しんで行って貰いたいものです!』


『明日はもう直ぐに帰らなきゃいけないんです・・・あたしもこの人も仕事なんで・・・でも今日上高地に行ったんですよ!!凄く綺麗で感動しちゃいました。』


凍り付いた空気が緩み・・・・緊張も少し解れ・・・・皆に笑顔も戻って来た。


『そうですか!上高地は良いですよ!!信州の宝です!あそこは何回行っても感動しますな・・・。』


『そうだ!さっき写真現像したんですよ!!』


言いながらさっきの写真を彼女がバッグから取り出しテーブルに出した。


『ほう!今日の撮った物が今日出来るんですか?』



僕等は笑いながら写真を手に取った。





その写真には






全てあの女性が写って居た。














これは事実でしょうか・・・フィクションでしょうか?










ご想像にお任せします。