国産そば大凶作・・・来年以降、どうなる? | さりげなく★スローフード

国産そば大凶作・・・来年以降、どうなる?

そばは好きです。
よく言われる、「死ぬ前に何を食べて死にたいか」といった質問に、ぼくは迷わず「そば」と答えるようにしています。

日本人は、そばが好き・・・・・・と思う反面、県別に「そばとうどん、どちらがポピュラーか」を見ていくと、「うどん」のほうが蕎麦よりポピュラーな県がほとんどなんですね。

そば粉の自給率、23%。
小麦粉はいま、14%くらいでしょうか。
いずれにしても、圧倒的に輸入です。

その国産そば粉が、凶作で危機。
「国産そば粉」をうたっているお店は、大変そうです。

ちなみに・・・もう20年以上前、ぼくのかつての英語の先生は、アメリカ、シカゴ生まれのJames Udesky(ジェームス・ユデスキー)というアメリカ人でした。
自らもそばの名店で修行をしてそば打ちをマスターした人で“The Book Of Soba”というそばの本を書いた人でした。
あまりにできすぎた名前ですけど、本名です(~~;。

The Book of Soba

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国産そば大凶作 長雨に台風…「枝も葉も出ない」

2009年11月11日17時8分

 新そばの季節を迎えたが、全国的な凶作だ。主な原因は7~8月の長雨と日照不足。主産地の北海道や長野県では、収穫量の見通しが平年の半分ほどの地域が続出している。そばの製粉業者などでつくる全国蕎麦(そば)製粉協同組合は取引先に対し、「今後1年間を通して国産そば100%のそば粉を提供するのは非常に困難」と伝えた。
そばの自給率は07年で23%と多くが輸入だが、本格的なそば店にとっては苦しく、そば通にとっては寂しい状況だ。

 収穫量の落ち込みの規模は、最大の産地である北海道に台風が上陸し、全国の収穫量が前年比24%減の2万400トンだった04年や、大冷害だった1993年と同程度との見方が出ている。

 「枝も葉っぱも出ない。『針金そば』だ。実は黒くならず、緑のままが多い。中身も詰まっていない」

 信州そばの産地の一つ、長野市・戸隠地区でそばを栽培する山口庄一さん(72)は嘆く。10月下旬に10アールを刈り取った。平年なら80キロほど取れるが、今年は4キロ。「種代にもならない。残りはもう刈らない」とため息をついた。

 そばは乾燥には強いが、水に弱い。種まき直後に雨が降ると、流されたり、腐ったりする。長野市では毎年8月初めまでに種まきを終える。しかし、今年は長雨に見舞われた。7月の日照時間は平年の58%の99時間で、逆に降水量は164.5ミリで平年より20%多かった。水がなかなか引かず、種まきは8月中旬以降と大幅に遅れた。その後も十分な日照がなかった。

 長野県農業技術課によると、県内の収穫量は08年は2130トンで全国2位。この10年ほどは年間2千トンほどで推移してきた。今年の収穫量がまとまるのは来年1月だが、同課は「収穫量はいつもの年の半分ほどにまで落ちる可能性がある」との見方をしており、800トン台の不作だった93年のことが頭をよぎる。

 08年の収穫量が1万1400トンと全国の約半分を占めた北海道も深刻だ。大産地の幌加内町があるJAきたそらち幌加内支所は「最悪だ」と悲鳴を上げた。いつもは10アールで100キロほど取れるが、今年は42キロ。台風被害で過去最も悪かった04年でも45キロはあったという。ホクレンによると、全道的な収穫量も平年の3分の2程度とみる。

 全国蕎麦製粉協同組合によると、山形県や福島県などの東北地方も平年の50~60%の出来。茨城や栃木、福井の各県では、長雨の影響は少なかったが、台風18号の強風で茎が倒れたり、実や花が飛んだりした。

 同組合は「総崩れ」ととらえ、「良質な輸入原料に頼らざるを得ない状況にある」とみている。そばの実は中国や米国、カナダなどからの輸入が多く、全体の流通量は確保できるとしても、国産そばの人気は高い。同組合によると、製粉業者に売られる国産そばの実の流通価格は高騰し、例年は1袋45キロで約1万2千円だが、今年は2万円にまで上がっている。

 東京都渋谷区のそば店「翁」の店主、中島潤さん(47)は「当面は大丈夫だが、1年分をどう確保するか。これからが勝負」。長野・戸隠で手打ちそば店を営む宮本光則さん(58)は「来春以降、国産そばの争奪戦になる。ただ、仕入れ値を価格に転嫁できる状況でもない」と苦い顔だ。(杉浦幹治)