** ごめんね 愛しい我が子 ** | Tortue topico*

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**アンティークに魅せられて**
いい事も 悪い事も 全て人生…
時が経てば味になる。
そんな風に生きられたらいいなぁ
お空に還した我が子の為に 
生きる意味を見つけながら
暮らしていきたい

好きなもの色々ひとりごと。。。

悪夢を見ているようです。


この世は 本当に残酷で、時に神様を恨みたくなる事が起きます。


まさか 我が身に起きようとは夢にも思っていなかった。。。


ゴメンネ 私の可愛い赤ちゃん。。。






トリプルマーカーの結果から約一週間後

6月13日 羊水検査を受けました。

その日からお腹が痛んだけれど、検査の後だし そういうものかな、くらいにしか思っていなくて。


翌日14日、腰痛も出始める。お腹の張りと痛みで眠れず。


15日早朝、痛みが3分おきに来るようになり、不安が増したので病院に連絡。

すぐに来て下さいとのことなので、すぐに向かう。

診察も早く呼んでくれた。


診察の結果、思っている以上にかなり深刻な状態になっており、即入院。

子宮けい管長が7㎜しかなく、危ない状況。


「赤ちゃんは助けられないかも知れない」


先生にそう告げられた。

頭の中は真っ白です。心臓も痛くなった。



あり得ないけれど、陣痛が起きていた。




とにかく何よりも真っ先に張りと痛みを抑えるため、使える薬(点滴)を最大限まで使いました。

副作用は動悸、手の震えなど顕著に表れた。



両親に付き添ってもらっていたので、ここでやっと夫に連絡を入れてもらう。

昨日の電話で「痛みがある」ことは伝えていたけれど、こんなことになるとは彼も思っていなかっただろう。




病院に着いてからの展開が早く、気持ちがついていかない。

混乱する頭で考えるけど、何が起きているのか理解できない。

リアリティが何一つない。



願いはひとつ。

どうか、この子を連れて行かないで。。。




15日~16日深夜にかけて陣痛が強くなり、診察。

心拍は確認できた。

頭の中も心の中も不安でいっぱい。

赤ちゃんの無事しか考えられない。。。

けい管長が5.5㎜になっていて、更に状況が悪化。

怖くて怖くてたまらない。


どんなに、苦しくても絶対この子をお腹から出しちゃいけない。

今、産まれてしまったら助からない。

絶対に守る。

けれど、頭の片隅で、自分の無力さも感じていた。

どうしてこんな事に。。。

最悪の事態になるかも知れない・・・そんな覚悟みたいなこともよぎったりして心の中はメチャクチャだった。



3分毎にうなる私。

看護師に腰をさすってもらったり、温めてもらったりしてもダメで。

絶対安静ということで導尿もしてもらった。

私にできる事って、こんなことしかないの?


ただひたすら陣痛に耐えて

なぜこんなことになったのか、朦朧とする頭で考えるだけ。



16日明け方、陣痛が強くなり緊張が増す。

この時、何が起きてもいいようにと分娩予備室へ移動させられる。

苦しい中ストレッチャーに移されるが、とても悲しい気持ちになってしまった。

私は全然、強い母なんかじゃなかった。


もう、ダメかもしれない。そんな事ばかり思って弱気になった。



続く陣痛の痛みが強烈になる。

看護師に分娩着を着せられ、別の点滴を入れられ、されるがまま。


自分の意志とは関係なく

赤ちゃんは下に降りてきてしまっているようだった。


希望は捨てたくない。

だけど現実はキレイごとではなく、赤ちゃんを諦めなければいけないところまで来てしまっていた。

何もできない自分の身体が憎たらしかった。



意識が朦朧としているなか、先生から

「子宮収縮が進んでしまっているので張り止めの点滴はこれ以上は使っても意味がありません。もう限界まで薬も使っているので。。。分娩という事になるかと思います。そうなると現在の医学では赤ちゃんを救命することは出来ません。ここで点滴を止めますね。」


そうなんだ。。。

もうこの子は生まれてこようとしている。

心臓は動いていて生きているのに

もうどうする事も出来ない。

子宮が収縮をはじめてからだいぶ経つけど、

居心地の悪い子宮の中でもこの子は生きているのに。

死ぬために産まれてくるの?



イヤだ!

出てきちゃダメ。

神様、ご先祖様、どうか、お願いだから連れてかないで。




時々陣痛の合間に楽になる瞬間がある。

痛みで身体がこわばり、震えてくるから、その間に深呼吸をするようにしていた。

そしてまた痛みが襲う。これの繰り返し。



普通に産めると思っていたから、この病院で行う無痛(和痛)分娩を希望していた。

けれど、先生と看護師が何度目かにやって来た時その無痛分娩の説明が始まった。

同意がなければ出来ないとのこと。

説明が頭に全く入ってこなかったけれど、サインをしないと硬膜外麻酔を使えないと言う事だったので、ペンを持ったが震えて上手くサインできない。

ミミズが這ったような波線で名前を書いた。



いよいよこれで分娩の準備が始まりそうだった。

この子とお別れしなきゃいけない。。。信じられない現実。


うんうん唸って、腰やお尻を押してもらっても

赤ちゃんは時間の経過とともに自然と降りてきている。


少し痛みを逃すため、硬膜外麻酔を打つ。

横向きで膝を抱えるように身体を縮める。

なんで私、ここにいるんだろう。

どうしてこの子の早すぎる出産をしなければならないのだろう。

お腹を真ん中にして身体を丸めているとグニョグニョと子宮が動いているのを感じた。

胎動なのか?収縮の振動なのか?

やっぱりこの子を手放すなんて出来ないよ。

思いとは関係なく準備が進んでいった。



麻酔のお陰か少しだけ陣痛の間隔があく。


だけど、陣痛はなくなりはしない。


ひとりの時に ジョワっと生温かい水が出る感触がした。

初体験だけど、破水だとすぐに分かった。


ナースコールを押す。


確認してもらったら、やはり破水。

だけど、そのまま またしばらくひとりにされる。


私、破水してます。

この子の命の水が流れちゃった。

誰か助けて下さい。

これは心の叫び。



もう自分の感情が何なのか、分からない。

早く終わりにしたいような、嘘だと思いたいような、言葉では難しい。

そのあと、続けて強烈な痛みと共に2回破水が起きた。

最後の破水の時、先生が内診すると

「もう、赤ちゃんの嚢がそこまで出てきてしまっています。子宮口も7㎝まで開いてしまっている」と告げられた。

さっきまで閉じていた子宮口が、一気に7㎝も?


破水もして子宮口も開いて

もう、この子は助からない。



何か股の間に挟まっている感触。

赤ちゃんの一部がもう出ている?


分娩室に移動。

またつらい中ストレッチャーに乗せられる。


分娩室の台の上。

ここで産むの。

助からない私の赤ちゃんを ここで産むの。


両手に握る為の取っ手がついた分娩台。

右手は取っ手をつかんだけれど、左手は看護師の手を握っていた。

人の手は 優しくて温かい。

何度も看護師の手に励まされた。




いきみたい衝動がきた。

でも先生がいない。

看護師が まだ力入れちゃダメと言って股をグっと押さえられた。


フーっと長く息を吐きましょう。


試そうとするが上手く出来てるかは分からない。



今はそばに夫もいない、両親もいない。

ここは私と赤ちゃんが一緒に成し遂げる時。

心細いけど、私がしっかりしないと。


出産となると今度は、

この子を苦しませたくないという思いに駆られた。

私にできる事のすべてをかけて、上手にこの世に出してあげたい。

生きていなくとも。

私の子だから。



何回 「フーっ」をしただろう。

途中、唸ったりもしたけど、無事に出てきてほしい。


にゅるん という感触が足の間に感じた。

誕生。

産まれてくれた。

産声は聞けなかったけれど、確かに産まれた。


そのあと、もう一度 にゅるん の感触。

胎盤かな。

持っている知識では、赤ちゃんの後、胎盤が出てくる事は知っていたから。

きっとそうだろう。

でも、ぐったりしている私は赤ちゃんを見る余裕がなかった。。。


「男の子?女の子?」

朦朧としていても気になった。


聞いてみたけど、


「まだ確認してません」

と言われて、そのまま黙った。



けれど、痛みはこれで終わりじゃない。

子宮の内容物をキレイにとっておかないと、いけないらしい。


見たわけじゃないけど、子宮の中を掻き出しているような、とにかくもの凄い痛み。

産む時よりも痛くて叫んでしまったほど。

地獄。痛い地獄。

更にその後、お腹を力強くマッサージされた。

これも感じたことのない強い痛みだった。

だけど、子宮の為にこうしておかないといけないらしい。


ひと通り 私に必要な処置をして頂いて、エコーで確認。




子宮の中は からっぽだった。


赤ちゃんはもうお腹にいない。


この時 なぜか 涙は出なかった。





分娩までの記録はここまで。

産後のことはまた別に記す事にします。