「飽きやすさ」の原因とは? | DJラオウのニコニコ日記

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パチンコ・パチスロについてマジメな話を中心に書いてます。
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どもです!


常日頃、やはり、いちユーザーとしてどうにかもう少し勝ちやすい、つまり、業界がもう少し薄利多売にならないものかと思うわけです。


今の状況を簡潔に言うと、


・機械代の高騰

これは機械代そのものの高騰(そろそろ50万円にも達しそうだとか)、入替頻度のアップ、どちらもありますが、入替頻度については昨年ガタッと下がって、今年もその傾向を受け継いでいる感じです。

・遊技環境の高サービス化

各台計数システム、きれいな店内、アメニティグッズ、接客サービスの向上などなど、遊技環境の競争激化による経費が増大しています。

・ユーザーの二極化

プロか常連負け組かの二極化が、特にパチンコで進んでしまっているため、出玉サービスすればプロがわんさかやってくるだけ。だから、上記のように新台と遊技環境で負け組ユーザーが好んでお金を落としてくれる店作りにせざる得ない、という事情。その中間層にあたる収支コントロールユーザーがどんどんいなくなっているので、薄利多売型の営業がそもそも難しい。


なので、なんというか、

ホールさんを一辺倒に責めるに責められない部分もあります。


このように薄利多売にできない理由はいろいろあれど、ひとつの解決策として、



「飽きがこなけりゃ新台で遊ぶ必要もない」


つまり


「飽きにくい台を見極めて買えば、新台でなくても稼働が維持できて、無駄な新台購入費を押さえて出玉に還元できる」


わけです。とてもシンプルなお話。


そこで、「飽き」について、少し考えてみようかと。


■具体的なものは飽きやすく、抽象的なものは飽きにくい

単調だと飽きやすいと考えがちですが、状況によってはむしろ逆になるようです。心理学のテストで、「散らかった部屋」と「整理整頓された部屋」の動画を見させ続けてどちらが耐えられるかを調べたところ、「整理整頓された部屋」の方が耐えられるというデータがあるそうです。

これは、散らかった部屋はぱっと見、興味をそそられるかもしれませんが、部屋にあるそれぞれのものが示す意味が理解できず、『ノイズ』として認知、そして興味を失ってしまうからだとか。整理整頓されている部屋の場合、そこに物が配置されている意味を考えたり、自分に当てはめて、自分ならこんな生活になるかななど、抽象的な分、思考が入り込む余地がある。それが飽きさせないのだそうです。つまり、具体的なものは飽きやすく、抽象的なものは飽きにくいということになります。絵画や音楽なんかに例えても理解しやすいかもしれません。シンプルな抽象絵画は飽きにくく、逆にガチャガチャとうるさく一方的な主張のうるさいものは部屋にあまり飾ったりしません。音楽は詳しくないのでうまく言えませんが、単調な曲は飽きにくいイメージがあります。

パチンコやパチスロで例えると、海物語やジャグラーの長期稼働がこれに当てはまるでしょう。シンプルであるからこそ、自分の思考が能動的に発生し、飽きを感じさせない、といったところでしょうか。オカルトが生じやすい機種は概してシンプルな機械が多いようにも思います。

最近の、特にパチンコがまさに「散らかった部屋」を連想させます。毎回転、あれこれ、いろいろ出してきますが、ユーザーにはほぼ「ノイズ」と認知されているかと思われます。相当打ち込めば、それぞれの意味もわかるようになりますが、基本、意味不明ですし、当りに結びつかないものが多いですから、どうでもいいもの(ノイズ)として認識されてしまうわけです。賛否はありますが、保留変化や擬似連が王道化した理由は、意味がわかりやすく、「ノイズとして認識されいないところまで認知されたから」ではないでしょうか。保留変化や擬似連も複雑化させてしまうと、ノイズ化してしまう恐れがあります。あ、すでに始まってるか!テヘッ!


■具体化ヒット機種と抽象化ヒット機種の違い

では、最近のヒット機種、AKBやルパンやはどうなの?となるわけですが、抽象化による飽きさせない仕組み(シンプルで打ち手が能動的に思考・遊技させる仕組み)を利用したわけではなく、逆の具体的な方向に研ぎ澄まされた場合のヒットという感じでしょうか。能動的な遊技の楽しみ方を全面に押し出してるわけではなく、受動的な一方的に与えられた面白さといえば、少しわかりやすいでしょうか。どちらがいい悪いではなく、語弊を覚悟で言えば、

海やジャグ:将棋や囲碁の能動的楽しさ(オカルト含む)

AKBやルパン:映画鑑賞の受動的楽しさ

というとさらに伝わるかもしれません。

こういったヒットの場合、能動的遊技ヒット機種、つまり、具体化ヒット機種ほど長続きしないというのが個人的な意見です。

なので、具体化ヒット機種(AKBやルパン)を見極めるためには、スペック・演出・役物・台枠などなどの全ての要素において、最新のトレンド、バランス、出来などを評価して考える必要があり、前記事に書いたように普段から遊技していないとまずわかりません。それこそ、上映前の映画や放映前のドラマがヒットするかどうかを予想するのに近いといえます。普段、映画を見てない人が、ヒットするかどうかなんてわかるわけがないのと同じです。それでも、抽象化ヒット(海やジャグ)を見極めるほうが遥かに難しく、また単純であるが故に数も少ないという特徴があります。囲碁や将棋のような形式の新規ゲームが流行るかどうかを見極める感覚ですから、断然難しさが違います。また、抽象化ヒットしたものの『パクリ機種』は基本的にヒットしない傾向にあります。単純であるがために、先駆者優勢度がより高いというか、「スーパー将棋」とか作っても流行らないですよね?

単に稼働がいいから、出率も上がって、それがさらに高稼働を生むというスパイラルも要因としてありますが、に、今回の話の主旨は「飽き」なので割愛させて頂きます。


■馴化(じゅんか)のプロセスから考える飽きの原因

刺激を与え続けると人は馴れを生じて、飽きてしまうわけですが、このプロセスを「馴化」と呼ぶんだそうです。その特徴は以下のとおり。


1)刺激の頻度が多いと飽きやすくなる

演出面においては「演出過多」と中傷される場合の心理がこれでしょうか。最近のプチ演出は刺激にもなっていないような気もしますが。当り刺激による面でいえば、しばらくハマリが続くと同じ当たりなのにすんごく嬉しかったりする心理要因です。反面、大連チャンしているときの当たりって、まあ、嬉しいですけど、同じ当りなのに「はい、当たりました」って感じになる心理要因でもあります。連チャン性は大事ですが、あまり集中させすぎると、「出玉=喜び」の価値が下がっていき、パチンコ屋目線で言えば、経費(出玉)がもたらす効果(客の喜び)が減少している状態を生み出しているといえるかもしれません。2


2)刺激が強いと飽きやすくなる

高射幸性化で一時的に好況化した場合、さらに射幸性の高いものが求められるため、どんどん高射幸化がエスカレート⇒当局に怒られるの繰り返しがこの業界の基本ループシステム。「高射幸性で集めた客は飽きやすく、より強い刺激でしか維持できない」という話の根本原理な気がします。あまりに高い射幸性による刺激はカンフル剤にはなれど、持続的かどうかという観点では脆いと言えるかもしれません。


3)異なる他の刺激を与えると興味が再度喚起される

たいへんわかりやすい効果。新台入替の集客効果や新規性の高い機種や演出が次々に出てくるのもこの効果を狙ったものです。ただ、わかりやすいだけに、ホール営業にしても、機械作りにしても、ここに頼り過ぎなのが問題なのだと思っています。飽きないような努力を怠らせる最たる原因の一つで、高コスト化、つまり、薄利多売を難しくしている原因といえるでしょう。上記に書いた具体化(複雑で多彩で一方的なゲーム化)を加速させる原因でもあり、よりユーザーが飽きやすい状況を自ら加速させているようなものです。



と、ここまで書いてみて、


じゃあ、どうすればいいの?

と自問自答してみたところ、なんの光明も見出せなかったのは内緒。


ひとつ、光をみるならば、昨年の転生のヒットですかね。


転生は具体化ヒット機種に見えて、実は抽象化ヒット機種だと私は思っています。


通常時遊技は残念な部分もありますが、「神拳勝舞」というただ一点の叩きどころに面白さを集約・濃縮させたことがヒットの要因だと考えています。神拳勝舞はまさに抽象化遊技。あの瞬間、レバーを叩くとき、いろいろと考えさせられます。皆さんもあのレバーオンにはいろんなオカルトがあるのではないでしょうか。能動的に遊技されている証拠でしょう。つまり、「この場面だけはたまらない!」という部分がメインどころにあれば、全体的な「おしなべての」出来の良さなんか、吹っ飛んでしまうということ。ハーデスも同様、ジャッジメントがそれに該当。

前評判が高く、導入後に大コケしている機械は、通常時もシステムも演出も版権も注目度もおしなべて卒なく出来はいいが、「ここが本当にたまらない瞬間!」というのがない機種が多いように思います。


海やジャグ・ハナハナのような機械が、このパチンコ・パチスロという遊技の抽象化ヒットの根本的な部分を寡占している状況ですので、ここに入り込むのはかなり難しい。海は少し複雑化してますので、パチンコはひょっとすると超シンプル機種のヒットを作る余地はあるかもしれません。J-RUSHの妙な高稼働は、私は海の脇が甘くなった間隙をついたものだと考えています。海は付け入るスキが結構あります。カリブが良い例ですが、さすがに二度同じ失敗はしないかな。


ただ、現状、新規性による集客(ホールなら新台入替、メーカーなら新規性の高い演出作りやスペック)は無視していいものではありませんから、


メーカーさんは

演出は新規性(演出やスペック)は常に持たせながらも、メインどころはシンプルにして、ユーザーの思考が入り込める「抽象化(能動的遊技を喚起させるゲーム性)」を目指す。


ホールさんは

新規性だけに目を奪われないことが重要で、


①根本的抽象化ヒット機種

⇒大海やジャグやハナハナが該当。原理的に数は少ない。また、寡占状態になる。

②メインどころ抽象化+その他の部分は具体化だが出来が優秀な機種

⇒キモとなるところはシンプルで、シンプルであるが故にあれこれオカルティックに考えられる余地がありつつも、その他の通常時の部分も多彩で出来がよい機種…というイメージですが、うーん…沖海3がやや該当するでしょうか。

③メインどころ抽象化+その他の部分は微妙

⇒北斗転生やハーデスが該当しますかね。パチスロの方が合致する場合多め?パチンコは該当機種があまり思い浮かばないが、保留玉連チャン機の仕組みが近いイメージ。

④メインどころもその他の部分も全て具体化だが出来が優秀な機種

⇒牙狼やルパンなどが該当。ここに該当する機械が多いため、選定を難しくしている。前評判が高くなる特徴があるのでやっかい。パチならキン肉マン、スロならエウレカ2、吉宗などもここに該当。注目の鉄拳3や蒼天2も全体的な出来はピカイチですが、メインどころがややボンヤリというか抽象化されておらず、ここに該当。どちらに転ぶか難しいが、抽象化ヒット機種にならないことだけはハッキリいえるかな。

⑤メインどころ具体化+その他もダメ

⇒その他大勢。前評判もちゃんといまいちになる。


の優先順位を念頭に機械選びや育成機種に選定されると「ユーザーが飽きない機種のラインナップ」となり「長期稼働」が期待できるかもしれません。

①②③のように『抽象化(能動的遊技になる機種)』でヒットした場合、超ロング稼働が期待できますが、年に1機種出るかどうか。

多くは④と⑤になりますが、④の機種群のヒットするかどうかの見極めがとにかく難しい。前評判は高い場合が多いですし、演出なども優秀な塩梅だったりしますから、「まさかの大コケ」に見舞われるのもここの機種。ただ、④のように一方的で受動的遊技でのヒット機種は、①②③とは根本的に継続遊技の動機が異なりますから、ヒットしてもやはり飽きやすく①②③ほどのロング稼働にはならない場合があることに注意された方がよいかもしれません。

④と⑤の区別がわからない場合、それは…少し自分のお金で遊技する回数を増やした方がよいかと思いますです…。



新規性も取り入れて新しい刺激による興味の再喚起も使いつつ、根源的には能動的な遊技機のシェアアップを目指す。

それができれば、薄利多売は目前。


ユーザー人口の減少も食い止められるかもですね(*´∀`)ノ


そもそもパチンコ・パチスロという遊びは、ヒキの偏りを楽しむところに面白さの原点を見つけることができます。「確率の妙理」を楽しむとでも言えばよいでしょうか。なので、基本的には映像を楽しむ映画のような受動的楽しさを原動力とはしていないわけです。確率の妙理を楽しむためのエッセンスとして演出がうまく使われていたところまではよかったのですが、受動的で一方的な面白さだけを前面に上塗りして押し付けるから飽きやすくなる。映画は一度見れば、普通、二度は見ません。だから、演出をより多彩で美しいものにしていかないといけなくなる。

これが、今のパチンコ・パチスロの「飽きやすさ」の根本原因だと結論付けて、今日はここまでとさせて頂きとうございます。長文、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!