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鳥クルッテル.incのJimiです。


2014年GW。さいたまで開催されるロックフェス VIVA LA ROCK

鳥クルッテル.incはオトミセで参加しました。

詳しくはこちら



今回はオトミセで開催する立体音響ワークショップに使用する音源の制作に協力して頂いた

ACOUSTIC FIELD

の紹介です。









ACOUSTIC FIELDは立体音響に関する様々な仕事を手掛けています。

なかなか一言で表すのは難しいのですが主な内容は

①企業や大学の各種研究開発用の特殊音響システムの設計ならびに開発

納入先一覧はこちらから

②アートなどの作品に使用するための立体音響システムの提案、構築

(詳細は Art of 3d sound

ということになると思います。



このブログでは②のアートなどに関わった事例を紹介することにします。

1つ目は以前ブログでも紹介した

filmachineです。





立体音響システムHuron(ヒューロン)を使い作品内で縦横無尽に動く音の粒子を
制御しています。filmachineは外国でも大きな反響がありました。

先日六本木ヒルズでも久しぶりの展示があったのですが色褪せないどころか新たな
発見まで聴衆に与えるこの作品の存在感は音響という枠だけではなくアート作品と
しても大変重要なものです。


詳しくはこちらの記事で

(写真はHuron(ヒューロン)の制御部分などの機材)





2つ目は先日まで初台のICCにある無響室で展示されていた

大きな耳をもったキツネです。


昔から環境音を音楽に利用するという手法はよく使われているのですが立体音響の中で
扱うことで新たな可能性を提示している作品だと思います。

詳しくは作品についてのインタビュー記事で

※(2013年)第17回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門審査委員推薦作品
  Perfume World Tour 2nd に参加しているevalaとACOUSTIC FIELDによって
  立体音響化された作品







今回記事を書くにあたりACOUSTIC FIELD代表の久保さんにインタビューを
お願いしました。

Jimi以下J
「なぜ久保さんは立体音響に関わろうと思ったのですか?」


kubo
「立体音響への関わりは自然な流れです。20年程前、当時いた会社で扱い始めた
 製品に、Lake Technology社のHuronと言う世界で最も高性能な
 コンボリューションシステムがあり、その担当になったのがきっかけです。」


J「元々在籍していた会社でHuronを使っていたんですね!」


久保
「その製品を使って建設会社や大学では、非常にリアルな残響シミュレーションによる
 音場生成を行っていました。そうした質の高い可聴化システムや
 バーチャルリアリティシステムを、様々な企業や大学の研究へ提案する仕事
 (特殊音響システム事業)をするようになり、そのまま立体音響に携わる事になった
 と言う流れです。」


久保
「ですので始めから立体音響に興味があったわけではありません。
 私は当時プロオーディオ機器の担当でもあり、そちらで音楽業界にも
 関わっていましたのでそうした技術を芸術作品に使用したいと思うのも
 自然な流れでした。」



J「久保さんが思う立体音響の可能性ってなんですか?」


久保
「私にとっては大変身近な立体音響ですが、一般の方には知られていません。
 特別な物では無いのですが、皆さんの知っている立体音響は、ネットで検索して出てくる
 大変古いバイノーラルの効果音のようなものであったり、アミューズメントやゲーム等で
 体験できるホラーや萌え系のバイノーラルコンテンツくらいです。」


J「確かに一般的にはゲームとかの方が馴染みがあるかもしれませんね」


久保
「もっと芸術作品に立体音響を使用することで、新しい音や音楽が生まれ、
 より楽しめる音楽体験が期待できます。
 その可能性を具現化しているのが「大きな耳をもったキツネ」になります。」


J「私は立体音響、つまり音楽を空間で考えるとステレオでは音楽理論的にアウトな
 ことでも使えると思ってるんですよ。あとはビートやリズムなども新しいことが
 出来ると思うし可能性は無限にありますよね」



J「今後どんなことをやってみたいですか?」


久保
「これまで立体音響の音楽作品を聴いたことの無い人や、聴いたと思っている人に対して、
 ACOUSTIC FIELDによる立体音響作品を試聴していただくと、みなさん大変驚かれ、
 そして楽しそうに試聴されます。」


J「単純に音そのものでワクワクさせられる体験ってそんなにないですからね!」


久保
「まずはその事を広げて行き楽しんでもらいたいので、立体音響による音楽作品や
 芸術作品を多く作って行きたいです。そのための準備も進めています。」



J「最後に今回ビバロックでバイノーラルプロセッシングした音源を聞いてみて
  立体音響に興味を持った人に向けてコメントをお願いします。」




※写真は今回のワークショップ用音源作成時のもの


久保
「今回の音源は、バイノーラルの音楽を分かりやすくミックスしたサンプルです。
 本格的な作品を今後発表して行きますので、是非聴いて楽しんでください。
 立体音響は聴けば聴くほど感覚が研ぎ澄まされ、立体的な音の動きや没入感が
 広がってより楽しめます。
 また、スピーカーによる作品もありますので、これから機会があれば聴いて見てください。」



J「今楽しいのも大事なんですがみんなにも「この先どんな音に出会えるんだろう」って
  音楽の未来に思いを馳せてもらいたくて久保さんに今回お願いしました。
  インタビューまで受けて頂いて本当にありがとうございました!!」



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