今日のテーマは舌痛です。
⑴臓腑実熱型
①メカニズム
心脾肝腎等多くの臓腑の経絡が舌に上連するので各臓の火熱の邪は全て舌絡に上攻し舌痛をおこす。
②特徴
心火では舌尖の発赤を刺すような灼熱感があり焦躁感や不眠等を呈する。
肝火では舌の両側辺縁の痛みがあり口苦やイライラし怒りっぽい等を呈する。
胃火では舌の中心部が痛み、舌苔が黄厚で乾燥し、冷たいもの欲する・食欲不振・便秘等を呈する。
肺火では舌尖部がピリピリと痛む。
痰火では舌がしびれたように痛み目眩等を呈する。
臓腑の熱毒では舌全体が紫色を呈し痛み。
③症状
強い舌痛で舌質は紅赤で芒刺がみられ舌苔は薄黄あるいは厚あるいは乾燥・口渇・口苦・イライラ・怒りっぽい・不眠・尿色濃く少量・便秘・滑数脈・等を呈する。
④治法
清熱瀉火薬
→心火には導赤散加黄蓮等を
→肝火には竜胆瀉肝湯や当帰竜薈丸を
→胃火には瀉黄湯や大承氣湯等
→肺火には瀉白散加黄芩等を
→痰火には礞石溒痰丸等を
→臓腑熱毒には三黄湯等
以上を中心に対策する。
⑵陰虚火旺型
①メカニズム
疲労し真陰を消耗して起こることが多く陰虚の程度は強くない。
②特徴
舌質が紅で灼熱感痛をともない口内が乾燥し水分を欲しがるが少量を頻回に飲みたがり一度に沢山飲まない。心神が養われない為に睡眠不足や陰虚火旺の手足の熱感等を呈する。
③症状
舌尖部が灼熱性に痛みあるいは乾燥し痛む・舌質は光紅で乾燥し横裂や無苔・寝汗・不眠・五心煩熱・細数脈等を呈する。
④治法
六味地黄丸等滋陰清熱薬を中心に対策する。