人間の中には愛憎の激しい人とそうでない人がいる。


愛憎の激しい人は磁石に似ている。


好きな人を強力に求め、嫌いな人に強力に反発する。


愛憎の激しい人ほど、はっきりとした人間関係を形成するものなのかもしれない。



また、愛憎の激しさとともに、人間に磁力をもたらす要因がある。


それは恵まれているか、恵まれていないかである。


人間の中には恵まれている人がいる。


しかし、それもその人のある部分においてでしかない。


すべてにおいて恵まれている人や恵まれていない人はそういるものではない。


それどころか、ある部分で非常に恵まれているのに、別の部分で非常に恵まれていない人もいる。



例えば、ある女性は、大変貧しい家庭環境に育ったが、大変美しい容姿をしていた。


つまり、彼女は経済的には恵まれていないが、容姿においては恵まれていたのである。


こういう立場に生まれた人は、恵まれている部分で、恵まれていない部分を埋め合わせようとするかもしれない。


その結果として、その人の体内にはある種の磁場が生じる。


それが、その人の生き方や、人間関係にも影響を与える。



これについては、以前にも書いた。


【寓話】片翼の天使
http://ameblo.jp/toraji-com/entry-10046514784.html



人間関係というのは、愛憎を磁力にして成り立っているのかもしれない。


だから個人においては憎しみが、社会においては偏見や差別がなくならないのかもしれない。




なお、ジンゴイストたちは民族や国家という名の強力な磁石の周りに集まった蹉跌の塊である。



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