飯田橋のふたばちゃん
原作:横山了一 作画:横山マユミ

WEBアクションで連載中の作品。

マンガ出版社を擬人化した、業界風刺ゆるふわ4コマ漫画。

そう来たか! という感じですね。
第一回からファンになりました。

旦那さんの絵では萌えないので、奥さんが作画を担当してらっしゃるとか(笑)


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スポーツに強くてアネゴ肌の講談ちゃん。
束縛が強く、結果が出ない物に対して容赦はないが何でもこなす集英ちゃん。
恋愛や子供の扱いが得意ながら、料理にはうるさく問題を頻発させる小学ちゃん。
ヤンキーで自転車でも相撲でも挑戦する秋田ちゃん。

漫画好きとしては、この紹介だけでニヤニヤしてしまいますね。

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無理矢理バトル展開に持って行こうとする集英ちゃんや、スタッフの異動が多く、またスクエミちゃんからの引き抜きを最近頻繁に行なっている小学ちゃんなど、現実に即したギリギリのネタの数々が面白いです。


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他にも、白泉ちゃん、スクエミちゃん、竹書ちゃん、角川ちゃんなどなど、各種出版社が「わかるわかる」という感じで擬人化されて出て来ます。
芳文ちゃんと相容れずに苦悩するふたばちゃんに共感します。

ダイレクトに漫画作品ネタを持って来ることも多く、講談ちゃんが丸太を持って来たり、秋田ちゃんがシグルイっぽくなっていたり、あるいは普段は花を周囲に飛ばしている白泉ちゃんがドラゴンスレイヤーを振り回す姿はかなり笑えます。

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中には『咲-Saki-』ネタも(笑)

スクエミちゃんの昔のお家騒動なども容赦なくネタにされており、複雑な思いと共に笑えるという絶妙な読み味です。

夢を創り出して売る筈の出版業界の裏側の闇を照らし出し、それをまたとても可愛くデコレーションして送り出すというある種悪趣味な作品ですが、しかし辛く苦しい現実を皮肉り笑いに転じるというのは、かつての風刺漫画の時代に求められた元来の役割という気もします。
それが、こういった萌え系4コマという形で現出するのも、現代の時代性を切り取ったコレクティブなワンシーンと言えるでしょう。
結構、人間はこういう物が好きなものですので、上手い所を突いたなあと感じました。

そんな事はさておき、漫画に明るい人ほど笑えますし、そうでなくとも4大少年誌を知っている程度でも十分に楽しめる内容だと思います。


75点。