塩山は2005年に合併して、今は甲州市となっている。笛吹川の扇状地の中にあり、町全体がなだらかな傾斜帯びている。高台から眺めるとブドウ畑の中に家々が散在しているさまがよくわかる。

 

【向嶽寺】

塩山駅から北西に1キロほどのところに「塩の山」という小高い山がある。塩山の地名の由来となった山である。下の写真の山がそれである。左側の門は向嶽寺というお寺の山門である。臨済宗向嶽寺派の大本山である。「向嶽」の嶽は「富嶽」の意味で、山門は富士山の方を向いている。

 

 

 

【恵林寺】

向嶽寺から2キロ強北の方に恵林寺がある。武田信玄の廟所、「心頭滅却すれば火自ずから涼し」の句を残した快川和尚で有名な寺である。

 

 

通称黒門と呼ばれる総門を潜り抜けると、うっそうとした並木の向こうに赤い門が見える。

 

 

この赤い門は四脚門、通称赤門と呼ばれている。国指定の重要文化財である。「乾徳山」の額がかかっている。

 

 

赤門を通り抜けると次は三門である。右の柱には「安禅不必須山水」、左の柱には「滅却心頭火自涼」の文字が読み取れる。織田信長の軍に焼き討ちされた際、動揺する僧侶たちに向けて発した句であると伝えられている。

 

 

山門の向こうに見えるのが開山堂。夢想疎石や快川和尚の像が安置されている。

 

 

開山堂の左手にある三重塔は、モダンな様式美を感じさせる素敵な塔である。

 

 

この奥に武田信玄が眠っている。

 

 

夢想疎石の手になる庭は一見の価値あり。拝観料は300円。

 

 

うぐいす張りの廊下。歩くとすごい音がする。

 

 

繊細なつくりの渡り廊下。日本的な美を感じる。

 

 

こんないなかに、と言うと失礼になるが、全国的に有名な禅寺が二つもある塩山はなかなか侮れないと思います。

 

 

【菅田天神社】

帰り際、駅の近くで格式の高そうな神社があったので、立ち寄ってみた。

 

 

スサノオノミコト、五男三女神、菅原道真を祭っているらしい。人の気配が全くしない。どんぐりがぽつぽつと落ちる音が響くほどの静寂と、神社の立派なつくりがなんとなく不釣り合いな気がした。

 

 

【オクラの花】

どうです。暇があったら、塩山を訪れてみて下さい。