[オモシロ神社Vol.29]世持神社~サツマイモを輸入した男 | Natural Bone Japanese

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さて、神社が祀られる側面には、いろいろな理由があるのは勿論のことなのですが、地方をひとつひとつみていくと、他地域の人には馴染みのない、御祭神と出くわすことがあります。今回ご紹介するのも、そんな神社のひとつですが、要は、その地域にとっての功労者を祀るというものです。

場所は沖縄県那覇市。こちらに、世持神社(よもちじんじゃ)と呼ばれる社があります。そして、そのご祭神は、次のお三方となります。

・蔡温(サイオン)
・野國總管(ノグニソウカン)
・儀間真常(ギマシンジョウ)

う~む、どれも馴染みのないお名前ですね。もしかして、沖縄の方ならご存知なのでしょうか。いずれの機会で聞いてみたいとは思いますが、こちら三者とも沖縄、当時で言う琉球国の発展に寄与したお三方でして、順をおってみてみましょう。

先ずは、蔡温(サイオン)。琉球王国の三司官の一人で、簡単に言ってしまえば、琉球王国の宰相ですね。様々な政治改革を主導し、琉球の発展に寄与したとあります。特に、元々、琉球王国は、おなり信仰と呼ばれる古代信仰を持っており、それが、神権政治として組織的にも強く影響を与えていたと言います。それが、薩摩の侵入を受けて以降、こりゃ、あかんということで、その体制を抜本的に見直していった人物の一人となるようです。

続く、野國總管(ノグニソウカン)。まぁ、とてもじゃないですが、中々、読みにくい名前ですよね。でも、実は、こちら名前ではありません。役職名なんです。野國(のぐに)と言うのが、地名を表しておりまして、現在で言うところの嘉手納町を表していると言われます。そして、總管(そうかん)というのが、尚寧王(しょうねいおう)が在位していた時代。およそ、1564年~1620年の時代に、首里王府の進貢船(つまり、貿易船)の管理事務役を務めた者ということになります。

現代の言葉で言えば、嘉手納港湾事務局の職員といった感じです。ですので、その詳しい本名は分かっておりません。ですので、あくまで、総称になるのですが、ここに該当する方が何をされたかというと、甘藷(かんしょ)を輸入しました。

聞いたことのない名前ですね、ということで、これは、今で言うサツマイモのことです。そうです、中国から初めて、サツマイモを輸入した方が、この野國總管の方だったという訳です。そして、これを持って、野國總管は、琉球産業界の恩人と讃えられるようになりました。それは、何故か。そこで、重要視されるのが、続く、祭神、儀間真常(ギマシンジョウ)なる人物です。

儀間真常は、琉球の五偉人(琉球史上を代表する5人の偉人)の一人と讃えられ、あ、蔡温もこの一人に選出されておりますね。で、こちら儀間真常が、野國總管が持ち帰った甘藷(かんしょ:以下、サツマイモ)を琉球に広め、最終的には、それが全国に広まった訳です。ですので、皆さん、サツマイモと思っておりますが、元は、琉球イモの方が正しいんですね。

更に、儀間真常は、砂糖(黒砂糖)の製法を伝播するなど、琉球経済の土台作りに非常に大きく貢献した人物となるのです。まさに、琉球界を代表とする三者が集まったという訳ですね。神社には、このように地域の歴史と非常に密接に関係をもった側面があります。それは、伝承文化の源泉のみならず、やはり、その土地の名士や関係者の軌跡を拝むことができるというのも、神社を見るひとつの面白さになるんです。

因に、沖縄の嘉手納町には、その名もずばり、野國總管宮(のぐにそうかんぐう)がありまして、まさに、その名士を元の聖地である嘉手納に祀ったという訳ですね。実は私、沖縄には行ったことがないんです。ということで、一度は行ってみたいなぁ。

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