乳化剤について

パン屋を始めて7年間の間に、なるべく添加物を使わずにおいしいパンが出来ないか研究してきました。

そして、イーストフード、増粘剤までは抜けましたが、今のところ、どうしても必要なのが「乳化剤」と「ビタミンC」

特に乳化剤のお問い合わせが多いので、乳化剤について説明させてください。



●乳化とは？ 

例えば、水と油はかき混ぜると、一時的に混ざるものの、すぐ元に戻ってしまいます。

ところが、石鹸を加えてかき混ぜると、白く濁って混ざります。

乳化は水の中に油が混じっている「水中油滴型」と「油中水滴型」の2種類があります。



この現象が乳化で、石鹸など混ぜるために必要なものを乳化剤といいます。

いつもは仲が悪い水と油の仲介役が乳化剤です。

乳化すると牛乳のように白く濁るので、「乳化」といわれていますが、そのものが乳というわけではありません。

そのほかにも、牛乳、マヨネーズ、バター、ドレッシング、パスタ、化粧品など、身の回りに乳化したものをたくさん見つけることができます。

パスタもゆで汁が乳化剤の役割をしています。

●で、当店のパンは･･･

パンも同じで、材料には小麦粉や酵母や塩の他に、水と油があります。

この水と油をキレイに混ぜ合わせるために乳化剤を使っています。

当店で使っている乳化剤はてんさい糖由来（ショ糖脂肪酸エステル）と、なたね油由来（グリセリン脂肪酸エステル）です。

「添加物」と言うだけで身体に悪いと判断されることが多いです。

食品から生成した材料で、厚生労働省も安全を認めている物なのですが、マスコミの影響からか、なかなか理解していただけません。（もちろん身体に害を及ぼす可能性がある怪しい添加物があることは認めざるをえませんが･･･）

入れるより入れないでおいしい方がいいですから、何度も挑戦してはいるのですが、乳化剤を入れないと、水や油がそのままパンの中に存在して、水っぽかったり油っぽかったりします。

乳化剤を使わずにおいしくパンが作れないかが今後の課題です。

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