ママ友情報を疑ってみませんか? | ワクチン広場

ママ友情報を疑ってみませんか?

高校1年生の方は、3月31日までにヒトパピローマウイルスワクチンを接種開始すれば、年度が替わってもあとの2回も公費で接種を受けることができる。未だ、受けていないお子様のママに、その理由を聞いてみたところ、面白い答えが返ってきた。『ワクチンにはアジュバントが入っているので注射をすると妊娠できなくなると聞いたので受けていません』とのこと、それで聞いてみた。アジュバントって何か知っていますか??すると、『妊娠しないようにする物でしょう?』とのこと、それは誰から聞いたのですか?と更に聞いてみると、『子どもの友達のママ』です。では、そのお友達は誰にその情報をお聞きになったのでしょうか?やはり、お友達だそうです。では、それは正しい情報でしょうか?と聞くと、『えっ、違うのですか_』と仰る。子宮がんにならないようにというワクチンを女性に接種をするのに、何故、妊娠しないような物質をワクチンに入れると思いますか?、ただでさえ、少子化傾向でなんとかしたいと思っている国で、そのようなワクチンを国が認可すると思いますか?また、私達医師が、それを勧めると思いますか?と聞いてみると、『そうですね、考えてみるとヘンですね、では、その人達は、何故、そんなことを言っているのでしょうか?』と逆に質問されました。犬や猫のようなペットで、しばしば避妊手術が行われます。体にメスを入れるには可哀想だと思います。そこで、動物に精子に対する抗体をつくらせて精子が入ってきても殺されてしまうようにするワクチンが開発されて、より免疫を強化するために、アジュバント呼ばれる免疫を強化する補助剤が加えられています。アジュバント単独では、精子を殺すような効果はありません。アジュバントは、ヒトに使うワクチン(病気を予防するためのワクチン)にも使われています。それを誰か、知識の無い人が、アジュバントそのものが妊娠をさせないなどと言い出して、それが伝えられているようです。間違った知識が伝えられているのであって、全くの嘘です。嘘をまことしやかに伝えるのは、悪意さえあると感じませんか?と話しました。親しい人が話していても、その情報が正しいとは限らないことを知っておくべきです。情報は、信じる前に、情報の出先を考えて見ましょう。また、何も予防接種を受けていない子どもさんのママに理由を聞きますと、『ワクチンを接種しても抗体が十分できるとは限らないので、自然に罹った方が免疫ができてよい』と言われました。それもやはり、ママ友からの情報だそうです。では、ワクチンは何のために接種するのでしょうね。抗体を作らせるのも病気に罹らないためですよね。麻疹は、今でも、罹れば1000人に1~3人、亡くなります。確かに、ワクチン接種で免疫ができない場合もありますが、免疫をつくるために罹った方が好いのでしょうか?それとも、稀に抗体が出来ない人もありますが、殆どの場合には免疫ができて病気に罹らないのですが、どちらが好いと思いますか?命を懸けて抗体が出来ることが好いですか?というと、『それは、罹った方が好いとは言えませんね』と仰います。少し、考えてみると、聞いた情報が必ずしも正しくないことがわかるのではないでしょうか。疑ってみることが、大事だとお思いになりませんか?