「パノラマ・メスダッハとスヘフェニンゲン海岸」! | とんとん・にっき

「パノラマ・メスダッハとスヘフェニンゲン海岸」!


損保ジャパン東郷青児美術館で「オランダ・ハーグ派展」を観たとき、上の写真が目に入りました。パネルのタイトルは「世界一の絵画パノラマ・メスダッハとスヘフェニンゲン海岸」とありました。最初はなんのことかよく分からずに掲示してある文章を読んでいると、「もしかしたら・・・」と思いだしました。写真ではスケール感がよく分からないのですが、大きいです。真ん中の島状の所から廻りを見ると砂の敷いたところの向こうに360度、巨大な壁画が、風景画が描いてあるんですね。見たんですね、「パノラマ・メスダッハ」を。もちろん、そんな名称が付いていたとは知りませんでしたが、たしかに見ました。


2011年4月11日に成田を発ってアムステルダム着、すぐに45km離れたハーグに向かい、宿泊したホテルが「ビルダーベルグ ヨーロッパホテル」、これがスヘフェニンゲン海岸のすぐそば、ホテルの窓から海岸が見えました。スヘフェニンゲン海岸には2度歩いて行きました。一度は散歩がてらスーパーマーケットで買い物を、もう一度はツアーの皆さんと一緒に食事に行きました。実は「スヘフェニンゲン海岸」という名称は、今回展覧会を見て初めて知りました。突然思い立って、グーグルアースで調べてみたら、すぐに下の画像を表示することが出来ました。



図録によると、以下のようにあります。

ハーグには、カンヴァスに描かれた世界一の大きさの絵画がある。「パノラマ・メスダッハ」と呼ばれる、円形の建物の壁面全体が絵画で埋められているものである。見る者は一旦地下にもぐって中央の櫓から、360度のパノラマ景観を楽しむ仕組みである。これは、ハーグ派に数多くの画題・主題を提供してくれたスヘフェニンゲン海岸の風景を再現したものであった。


スヘフェニンゲン海岸はハーグの中心部からは、歩いても2時間ほどの距離にあり、19世紀中頃までは小さな漁村が点在する場所でした。1880年の海岸を整備してリゾート地にするという話が自治体から持ち上がります。当然反対の声は上がったが、それを止めることはできませんでした。当時各地で町の風景をパノラマ風の見せ物にしていたベルギーの会社が、ハーグでもパノラマを描いて欲しいとメスダッハに依頼してきました。


メスダッハは抗議の一環として、巨大なスヘフェニンゲンの風景を描くことに応じました。メスダッハは画家仲間と共に、4ヶ月という短期間で、縦約14m、幅約120m、総面積1680㎡という巨大な絵画を完成させました。1886年業者が倒産した後、メスダッハ自身が買い取って「パノラマ・メスダッハ」として現在に伝わり、この海岸には現在、クアハウスと呼ばれるホテルとカジノを中心に、巨大なリゾート地として多くの人々を集めています。


ハーグ派:風景画

描かれたスヘフェニンゲン海岸



現在のスヘフェニンゲン海岸




「パノラマ・メスダッハ(メスダグ)」


「メスダグ『パノラマ・メスダグ』」美の巨人たち


「損保ジャパン東郷青児美術館」ホームページ