「ターナー展」ブロガーイベントwithスペシャルトークへ行ってきました! | とんとん・にっき

「ターナー展」ブロガーイベントwithスペシャルトークへ行ってきました!



東京都美術館で開催された「ターナー展」ブロガーイベントwithスペシャルトークへ行ってきました。

2013年11月20日:当日のスケジュール

19:00~19:30 トークショー 企画展示室前(18:30~受付開始)

          スペシャルゲスト

          ・鈴木芳雄さん

           元BRUTUS副編集長、フリーランス編集者

           美術ジャーナリスト、愛知県立芸術大学客員教授

          ・結城昌子さん

           アートディレクター、エッセイスト

19:30~20:30 自由内覧

20:30      終了


自己紹介ではお決まりのターナーとの出会いを、お二人は語っていました。結城さんは、初めてターナーを観たのはオランダ?の「ターナー回顧展」、今ほど入場制限がなくて、世界中からターナー好きが集まっていました。そこで知ったのはターナーの空気、ターナーの空気にも表情があることを知ったと。ターナーを観たときに気分が悪くなったが、ターナーの空気に酔ったのではないかと。鈴木さんは、初めてターナーを観たのはテート、イギリスの人はターナーが好きだと感じた。ターナーはさほど良いとは感じなかったが、この展覧会で体系的に観て、ターナーの良さを知った。


司会役の朝日新聞の方が、今回のターナー作品は116点、ターナー展ではいろんな取り組みをしているとの発言。それでこのお二人がゲストに選ばれたのかと納得。結城さんは、朝日小学生新聞で「結城昌子の遊んでアーティスト」を毎週日曜日に連載。今回のターナー展でも、ターナー展の記念号外「遊んでアーティスト ターナーギャラリー」を書かれています。実は僕がターナー展の記事を書いたときに、結城さんの記事を引用したりしています。展覧会の図録は大事だと思った。印象派の画家でターナーの影響を受けたのはモネでした。場所を特定したくて調べたら、ターナーもモネも同じ場所にイーゼルを置いていた。


鈴木さんは、ターナー展の「駅貼りポスター」のコピーを担当したという。そういえばターナー展の大きなポスター、あちこちで見かけました。B版全紙2枚続き?のポスター。制約が少なく、トリミング自由、文字載せ自由だったので、コピーライター冥利に尽きる、という。嬉しく、楽しく、仕事ができた。どんなコピーか?ここではボツになったものを。「画家(ターナー)の教師は旅と詩と自然でした」、「ルネサンスの画家に学びました。印象派の画家に学びました。」。絵を観に行くのは旅、絵も初めてあったり、再会したり、旅と同じです。


僕は朝日新聞を長年とっていますが、今回ほど美術展記事、つまりターナー展の関連記事が目についたことはありませんでした。たとえば、「ターナー展 東京都美術館 上野で開催中」という8cm×8cmの小さな記事、一つの作品に絵と文字が載っています。僕は丁寧にその記事を切り抜いていました。ブログを書くときの参考にしようと思っていましたが、書くときはそれを忘れていました。あるいは、10月8日の記事、「ターナー展 貫いた信念 巨匠への道」というもの。もちろん、今回のブロガーイベントでもいただきましたが、「ターナー展記念号外」もとってあります。


つまり「美術展」は、単にポスターやチラシ、広告だけでは収まりがつかない時代になってきているようです。門外漢なので詳しいことは分かりませんが、メディアミックス、異種のメディアを組み合わせる、あらゆるメディアを使って全体的・総合的に売り込んでいるようです。売り込むという言い方はヘンかも知れませんが・・・。


「ターナー展 貫いた信念 巨匠への道」の記事の概要

彼はいかににして「巨匠」になったのか。

・駆け出しのターナーが頭角を現した要因の一つは、画題の選び方。10代のターナーは各地の名所絵を描いて身を立てた。戦争中だった20代には、海軍の活躍などを描いた海景絵でアカデミー正会員に選ばれた。

・野心家であったことも出世を早めた。展覧会では誰よりも良い場所を確保、隣のライバルの作品の出来が良ければ、その場で自作を手直しした。

・今日まで変わらぬ評価を築いたのは、晩年の頑固なまでの制作姿勢だった。ものの形の判然としない表現は、制作当時は激しい非難や嘲笑にさらされたが、意に介せずその画風を追求した。


それはともかく、今回のブロガーイベントで、再度ターナー展をゆっくりと観ることができました。


展覧会の構成は以下の通りです。

Ⅰ 初期
Ⅱ 「崇高」の追求
Ⅲ 戦時下の牧歌的風景
Ⅳ イタリア
Ⅴ 英国における新たな平和
Ⅵ 色彩と雰囲気をめぐる実験
Ⅶ ヨーロッパ大陸への旅行
Ⅷ ヴェネツィア
Ⅸ 後期の風景画
Ⅹ 晩年の作品











注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。


「ターナー展」

風景画家として西洋美術史に燦然と輝く足跡を残し、今日なお英国最高の巨匠と称賛されるジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851年)の展覧会を開催します。世界最大のコレクションを誇るロンドンのテート美術館から、油彩画の名品30点以上に加え、水彩画、スケッチブックなど計110点を紹介。才能のきらめきを示す10代の習作から、若くして名声を確立しながらも、批判を恐れず新たな表現を追求し続けた壮年期の代表作、かつて誰も試みたことのない方法で光と大気を描きだした晩年の到達点まで、栄光の軌跡をたどります。日本でまとめて見る機会が少ない巨匠の待望の大回顧展です。


「東京都美術館」ホームページ


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